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作品名:500万とメンソールと17歳のアタシ 作者:北村 裕志

第58回   58
「マリちゃんはとてもスポーツが好きみたいで、毎日部活を頑張っているようですね。」


「もう、運動神経がいいだけがとりえなものでして…。私に似たのか、勉強の方はさっぱりなんで、ホトホト困り果ててます。」


「うちのユウとミキも同じですよ。スポーツばっかりで、勉強は全然しないものですから…。中学生くらいですと、それくらい元気があった方がいいとは思っているのですがね。でも、もう少し女の子らしく出来ないものかと困っておりますわ。」


(まさか、マリのお父さんがわざわざ世間話をする為に家に来た訳ではないでしょうね。)


ミキは世間話を進める2人に対してただひたすらに待った。


高橋は何をしに来たのか…。


ミキの中では、何かあると感じていた。


「ところで高橋さん。今日はどういったご用件で…。」


(始まった。)






「はぁ、実は…、私はもう20年以上前からこの土地で印刷業をやっておりまして…。」


「ユウから聞いた事があります。マリちゃんのお父さんは社長さんなんだって。」


「いやぁ、お恥ずかしい。社長と言っても、従業員は10人も満たない、本当に小さな会社なんです。
今までも色々な事がありましたが、何とか続けてくる事が出来ました。
従業員にもかなり無理をさせた事もあります。
しかしながら…、昨今の景気の不安定さで……、なかなか仕事が増える事がなく……、それに拍車を掛けるように工場の機械も老朽化が激しくなり、生産性もなかなか上げる事が出来ず……、どうしても大手の印刷会社に仕事をとられているのが現状なんです…。」


高橋は、少し戸惑いながら話を進めた。


「実際問題としまして…、このままでは、我が社が倒産するのも時間の問題になってきました。いえ、本当なんです。私も小さいながらも会社を経営しております。私はいいのですが、従業員の事を思うと、なんとかしなければと思っているのです。」


「…。」


父親は、高橋の話をじっと聞いている。


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