アタシはミキとトオルと共に中学生になった。
偶然にも3人とも同じクラス。
それからしばらくして、アタシ達はマリというクラスメートと仲良くなった。
とても明るく社交的でスポーツが大好きな女の子だ。
アタシとミキとマリでよく遊ぶ事も多くなった。
この頃になると、女性としての意識も芽生え始め、化粧などもするようになり、女の子同士で集まる事も増え、すっかりトオルとは距離が遠い存在になっていた。
それでもトオルは、アタシの事を気にかけてくれていたのだが、アタシにとっては、トオルより女友達の方が大事だった。
マリの父親は、地元の小さな印刷工場で社長をしている。
従業員が10人足らずの、いわゆる“中小企業”だ。
バブルが弾けてはや15年余り。
21世紀を迎えても中小企業は依然厳しい現実と向かい合っている。
「マリのお父さんって、社長さんでしょ?すごいよね。」
「そんなことないよ。ユウのお父さんだって、大企業の社員じゃん!なかなかなれないよ。」
「いや、ユウのお父さんは、叔母さんの“コネ”だからそんなにすごくないんだ。」
2人でこんな会話もよく交わした。
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