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500万とメンソールと17歳のアタシ
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作品名:500万とメンソールと17歳のアタシ
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作者:北村 裕志
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第55回
55
1994年2月14日の朝。
アタシはとある大学病院で産声を上げた。
実はこの時、生まれたのはアタシだけではない。
アタシの横にもう1人。
同じ口・同じ鼻・同じ瞳・同じ笑顔…。
そう、アタシ達は双子の姉妹。
両親は、双子である事を大変驚き、そして喜んだ。
早速、姉のアタシにはユウ、妹にはミキと名づけた。
アタシとミキは、病気もせず、元気に育ち、そしていつも一緒だった。
幼稚園に入ると、公園や広場で男の子達の中に混ざって走り回っていた。
その中にはトオルの姿も…。
アタシの家は、経済的には中の上くらい。
父親の姉、つまりアタシの叔母は、ある貿易会社の取締役を務めていて、父親はその叔母の会社の社員として勤めている。
母親は専業主婦として、まだ幼いアタシ達姉妹の面倒を見てくれている。
アタシの父親は一言で言うと、“お人よし”。
困っている人を見つけると助けずにはいられない性格。
電車で席を譲るのは当たり前。
街で道を尋ねられたら、その場での説明だけでなく、現地まで案内する。
自分が分からなくても、近くの交番まで必ず案内する。
自分は仕事で忙しいのに、自治会長まで引き受けている。
「人は助け合っていかないと生きていけないものなんだ。」
と言うのが父親の口癖。
アタシも子供なりに、父親の優しさは自慢でもあった。
ただ、叔母からすると、『そのお人よしさが、出世の障害になっている。』と愚痴っていたが…。
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