「ええ、いいわよ。どうせ誰もいないし。」
「おい、ユウ。腹減ったろ?」
「泣きすぎて、お腹減りすぎ。」
「ママ、何か食べ物ない?」
「そうねぇ、お菓子でよかったら。」
「スナックだから、食べ物なんてあんまねーよな。仕方がない。ユウ、お菓子で我慢しろ。」
「ユウは、何でもいいよ。」
2人が座るテーブルにやがて、お菓子と飲み物が置かれた。
アキはジントニックを軽く一口含むと、タバコに火をつけ、ふーっと吐いてから、アタシに話しかけた。
「なぁ、ユウ。お前、確か、昔なんかあったんだよな。」
「…。」
「それから1人になったと言っていたよな。何があったんだ?」
アタシには、1人になったある“事件”があった。
その“事件”から、1人で街を出歩くようになり、楽しさを求めるようになった。
今まで、その事は誰にも話した事がない。
唯一知っている人物はトオルだけだ。
そのトオルも今はアタシの傍にはいない。
アタシは、アキに向かってゆっくりと話し始めた。
「…あれは、もうすぐ中学卒業って頃だったんだ…。でも、本当はもっと前から始まっていたんだ…。」
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