Warning: Unknown: Unable to allocate memory for pool. in Unknown on line 0 Warning: session_start(): Cannot send session cache limiter - headers already sent in /var/www/htmlreviews/author/12272/12099/48.htm on line 4 500万とメンソールと17歳のアタシ
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作品名:500万とメンソールと17歳のアタシ 作者:北村 裕志

第48回   48
夜の高速道路を、一台の黒の軽自動車が西へ西へとひたすら走り続けている。


車内に立ち込めるメンソールタバコの煙…。


「ねぇ、アキ。まだ走り続けるの?」


アキと待ち合わせて車に乗ってから約1時間。


アタシはアキがどこへ向かおうとしているのか分からなかった。


車内の時計を見ると午後8時20分。


「おう、もう少し走るから大人しく待っておけ。」


「どうせ、ユウは暇だから別にいいけど…。」


「なあ、ユウは今彼氏いるのか?」


アキがおもむろに尋ねてきた。


「ううん、いないよ。」


「トオルって子と別れてからまだ1人か。そういえばあの時、泣きながら私に電話してきたっけ。」


「もう、そんな話しないでよ。恥ずかしいじゃない。」






『プ、プ、プ、プ…。』


電波の悪い場所にいるのか、なかなか繋がらない。


アタシは、トオルと別れると、止まらない涙を必死に抑えながら、アキに電話をかけていた。


(今日も風俗の仕事をしているのだろうか…。)


トオルと別れた悲しみの中で、ふと、アキが風俗嬢として働いている事を思い出した。


5秒、6秒、7秒…。


「久しぶりだな。」


アタシの耳元に相変わらずのぶっきらぼうな声が飛び込んでくる。


「…。」


アタシはアキに頼りたい気持ちがあるのだが、悲しみと止まらない涙でなかなか言葉が出てこない。


「おい、ユウだろ?何か喋ったらどうだ?」


「…、アキ…。」


「どうした?泣いているのか?」


アキも電話の声で、普通ではない事を察したらしい。


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