「でも、僕も不安だし、ユウちゃんも不安だったら…、もう2度と会わない方がいいかなって…。」
「2度とって…。いくらなんでも大げさじゃない?トオル、そんなに深く思わなくてもいいんじゃない。」
本当は、突然の事で、アタシの方がどうしたらいいのか分からなくなっていたかもしれない。
けれど、それがどうしてもトオルには見せれなかった。
「ユウちゃんがなんて言っても、僕の中では、ずっと悩んできた、考えてきた事なんだ…。深く考えるよ。だって、ユウちゃんのこと、大好きだったから…。」
過去形になっている。
もう、トオルの気持ちが固まっている事をアタシは悟った。
「そう、分かった。じゃあ、今日限り、あんたとは恋人同士でもなんでもない。ただの幼なじみ。これでいい?」
「僕は…、ユウちゃんを大切に出来なかった。本当にごめんなさい。」
「別にいいわよ。あんたに幸せにしてもらおうなんて思ってなかったから。」
子供の頃から弱々しいトオルを守ってきたアタシには、どうしても、トオルの前で弱さを見せる“勇気”が持てない。
どうしても強がってしまう。
本心はもっと別の所にあるのに…。
「今までありがとう。ユウちゃん、幸せになってね。」
そう言うと、トオルは席を立った。
「あんたもね。」
アタシも同時に席を立った。
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