しかし、高校に進学してからも、トオルは昔と変わらず頼りなく、自分から誘ってくる気配もない。
アタシもはじめのうちは電話していたが、『うん、うん、ユウちゃんに合わせるよ。』ばかり。
デートに行っても、主導権は全てアタシ。
そんな関係だから、また段々とまたストレスが溜まってきてそのうち連絡も取らないようになっていった。
しかし、今回突然のトオルからの連絡。
一体、どんな用事なんだろう。
まぁ、楽しめればいいけどね…。
そして…夕方の喫茶店。
アタシは扉を開け、店内を見渡すと、奥に男子高校生が1人、何も頼まずじっと下を向いて座っている。
トオルだ。
どちらかと言うと痩せ型で、髪は耳がかかるまで伸びている。
顔は決して悪くなく、むしろかっこいい方だ。
しかし…喋るとね…。
アタシは真っ直ぐに進み、トオルの前に座った。
「あんたが誘ってくるなんて珍しいわね。ユウの事、恋しくなった?」
ちょっと冗談ぽく話しかけてみる。
しかし、トオルはじっと下を向いたまま何も喋ろうとはしない。
「いらっしゃいませ。」
店員が注文をとりに来た。
「ユウはミックスジュース。トオルは何にするの?」
「…レモンティー。」
トオルは下を向いたまま、か細い声で注文を伝えた。
「で、どうしたの、今日は。はっきり言いなさいよ。」
アタシはやや強い口調で話しかける。
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