「もうすぐ卒業だよね。ほんと、3年間って早いよね。」
クラスメートがアタシに声を掛ける。
「なんだか、寂しいよね…。違う高校に行っても絶対友達だからね!」
中学生のアタシは、まだ今のように“一匹狼”ではなかった。
「じゃあ、また明日。バイバイ。」
「バイバイ。」
ある日の学校の帰り道。
アタシはクラスメートに別れを告げ、一人、家までの帰り道を歩いていた。
夕日が静かに山と山との間に消えようとしている。
いつもの帰り道の交差点を左に曲がると、何かが見える。
誰かが立っている。
トオルだ。
アタシは、特に臆する事もなく、そのままのスピードでトオルに近づいた。
「どうしたのよ。」
「いや、その…。なんていうか…。」
「もう、なんなのよ!何か言いたい事があるの!」
どうしても、トオルと話しているとストレスが溜まる。
幼稚園の時からそうだ。
アタシとトオルは家が近所ということもあり、日頃からよく遊んでいた。
トオルは一人っ子だったこともあり、アタシしか遊び相手がいなかったらしい。
だから、幼稚園に行っても、他の子供達となかなか馴染む事ができず、いつもいじめられていた。
その度にアタシが、『トオル君をいじめちゃダメじゃない!』とよく周りの子供達を叱る。
そしてアタシはそのまま振り返り、『トオル君、もっと頑張らないとダメだよ。』と慰める。
『うん、ユウちゃん、ありがとう…。』と、泣きながら小さな声でトオルが答える。
そんな毎日=関係だった。
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