Warning: Unknown: Unable to allocate memory for pool. in Unknown on line 0
Warning: session_start(): Cannot send session cache limiter - headers already sent in /var/www/htmlreviews/author/12272/12099/34.htm on line 4
500万とメンソールと17歳のアタシ
■ 目次へ
|
作品名:500万とメンソールと17歳のアタシ
|
作者:北村 裕志
|
第34回
34
「もうすぐ卒業だよね。ほんと、3年間って早いよね。」
クラスメートがアタシに声を掛ける。
「なんだか、寂しいよね…。違う高校に行っても絶対友達だからね!」
中学生のアタシは、まだ今のように“一匹狼”ではなかった。
「じゃあ、また明日。バイバイ。」
「バイバイ。」
ある日の学校の帰り道。
アタシはクラスメートに別れを告げ、一人、家までの帰り道を歩いていた。
夕日が静かに山と山との間に消えようとしている。
いつもの帰り道の交差点を左に曲がると、何かが見える。
誰かが立っている。
トオルだ。
アタシは、特に臆する事もなく、そのままのスピードでトオルに近づいた。
「どうしたのよ。」
「いや、その…。なんていうか…。」
「もう、なんなのよ!何か言いたい事があるの!」
どうしても、トオルと話しているとストレスが溜まる。
幼稚園の時からそうだ。
アタシとトオルは家が近所ということもあり、日頃からよく遊んでいた。
トオルは一人っ子だったこともあり、アタシしか遊び相手がいなかったらしい。
だから、幼稚園に行っても、他の子供達となかなか馴染む事ができず、いつもいじめられていた。
その度にアタシが、『トオル君をいじめちゃダメじゃない!』とよく周りの子供達を叱る。
そしてアタシはそのまま振り返り、『トオル君、もっと頑張らないとダメだよ。』と慰める。
『うん、ユウちゃん、ありがとう…。』と、泣きながら小さな声でトオルが答える。
そんな毎日=関係だった。
|
|
← 前の回 次の回 → ■ 目次
■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 17333