アタシとアキを乗せた黒の軽自動車は、一般道からやがて高速道路の乗り口にさしかかる。
「ねぇ、アキ。どこに連れてってくれるの?」
アタシは誕生日の前夜祭のドライブの行き先が少し気になっていた。
「まだ、走り出したばかりじゃねーか。気が早いなユウは。」
アキは、アタシを見る訳でもなく、ただ高速道路を西に向かって運転している。
「どこでもいいけどね。」
「明日はユウの誕生日で、バレンタインデーだ。見てみろ。カップルの車ばかりじゃねーか。前日なのに気がはえーよな。こいつら、きっと、今晩ヤルぞ。」
「アキ、いいじゃん。そんな事。女2人のドライブもいいもんだよ。」
『留守番センターにお繋ぎします…。』
アタシは、アキの携帯に電話をかけていた。
(人に教えといて、留守電かよ。)
どうしようか迷った挙句、アタシは歩き出した。
大通りからやがて、細い路地に入り、そして…一軒の店にたどり着く。
アタシはその扉を開けた。
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