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500万とメンソールと17歳のアタシ
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作品名:500万とメンソールと17歳のアタシ
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作者:北村 裕志
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第125回
125
《10年後》
「先生、さようなら。」
小さな園児がアタシに元気よく挨拶する。
「はい、トモミちゃん。さようなら。お母さんもう来てるかなぁ。」
「トモミー!」
遠くからその小さな園児に向かって声が聞こえてくる。
「おかあさーん!」
トモミと呼ばれたその園児は母親の元に駆け寄り、母親はその園児を抱きかかえたままアタシに近づいてきた。
「ユウ。いつもありがとね。」
「トモミちゃん、今日も元気に走り回ってたよ。そうだ、また今度時間があったら2人で真梨子さんの店に行かない?サユリ。」
秋風が涼しく感じる季節。
アタシは1人、あるお墓の前に立っていた。
『米倉家之墓』
今日は、雄一郎とコウタの命日。
10年前のあの日…、米倉家に真梨子と伺い、雄一郎とコウタの事実を知ってから、アタシは毎年2人の命日にここに来るようにしている。
命日に来る事が…、アタシにとってアキに対する恩返しだと思うから…。
持ってきた花と線香を添える。
(初めてこの場所に来てからもう10年か…。)
アタシは、母親の責任を果たせなかった事に後悔していたアキと真梨子の思いを汲み、保育士の道を選んだ。
子供を大切にする事がとても意味のなす事だと思ったから…。
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