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作品名:500万とメンソールと17歳のアタシ 作者:北村 裕志

第120回   120
「それから何年かしまして、また昔の街に戻ると…、偶然にもアキと再会できる事が出来ました。その時のアキは、1人、街をさまよい、ただただ自分を犠牲にしておりました。何とかしてあげたい…。そんな想いが私の中にはあったのですが…。けれど…、今までの私の勝手から、なかなか母親だと名乗る勇気を持てず、アキにはとても辛い思いをさせてしまいました。」


本当に、アキに対して申し訳なく思っているのだろう。


真梨子の口調はとても寂しさを漂わせている。


「その後、アキは、今隣にいるユウちゃんと出会い、そして、自分の学生時代の過去をユウちゃんに話しました。その中で、アキが雄一郎さんと親しい仲になられたと聞き、本日伺った次第です。」


静代は真梨子の話をじっと聞いていたが、真梨子がここまで話すと、静かに話し始めた。


「アキさんには……、アキさんには……、本当に申し訳ない事をしました…。あの時…、子供が出来たとアキさんから聞いた時、私は…、私はただ自分の家を守る事、息子の雄一郎を守る事しか考えず、アキさんに対してとんでもない仕打ちをしてしまいました。私が、もっと広い心を持ってあげれば……。もっとアキさんの想いを受け入れてあげれば……。私がもっと…、もっと…2人の気持ちを大切にしていたら…。本当に……、本当に……申し訳ございません…。」


静代は、ハンカチで目頭を押さえながら真梨子に対してまた深く頭を下げた。


「米倉さん…、顔を上げてください…。」


「いえ、そんなことは出来ません。本当に何と申してよいのやら…。私が全て悪いのです…。今更と言われるでしょうが、アキさんの幸せを奪って…、本当に申し訳ございません……。」


静代は頭を下げたままじっと動かない。


真梨子は一口お茶を飲むと、そっと微笑みながら静代に話しかけた。


「実は…、今日お伺いしたのは、それだけじゃないんです。」


「…。」


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