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500万とメンソールと17歳のアタシ
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作品名:500万とメンソールと17歳のアタシ
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作者:北村 裕志
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第118回
118
女性を先頭に、真梨子、アタシの順で玄関から長い廊下を渡る。
そして、広い和室へと案内された。
「今…、お茶をお持ちしますので…。」
女性はアタシ達にそう伝えると一旦アタシ達の前から姿を消した。
和室からは、小さな庭園が見え、池もある。
脇には大きな蔵が2つほどあり、その敷地の中は外から見るよりもさらに広く感じられた。
「ねぇ、真梨子さん、あの人がお母さんみたいですね。」
隣に座っている真梨子にアタシはそっと話しかける。
「そうみたいね。私達が来て結構動揺していたものね。」
しばらくすると、お盆を両手に持った先ほどの女性が再び和室に現れた。
アタシ達の前に持ってきたお茶を置き、向かい側に静かに座る。
表情は相変わらず暗い。
「本当に突然お邪魔して申し訳ありません。私、原田亜紀の母親の原田真梨子と申します。」
真梨子は深く頭を下げる。
「このような田舎まで本当によく来られました…。本来、こちらから伺わなければならない所を…。申し遅れました…。私、米倉静代と申します…。米倉雄一郎の母でございます…。」
静代も真梨子に負けじと深く頭を下げた。
とても小さな、寂しげな口調も、言葉の端々には上品さが伺える。
これも家柄なのか…。
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