（本当に…、アキに今の姿見せてあげたいなぁ…。）
真梨子は、その写真を裏返えすと、何か書いてある事に気付いた。
郵便番号、県名、町名、番地、電話番号、そして…、病院名…。
「…、生まれた病院の住所かなぁ。」
アタシも何気なく隣りから覗き込む。
「そうみたいね。この病院に連絡すれば、何か分かるかもね。」
アタシの中で静かに期待が膨らむ。
「病院には私が連絡するから、何か分かったらユウちゃんにも知らせるね。」
真梨子はそう言ってアタシに微笑んだ。
それから、１週間が経った。
新幹線の車内。
静かに揺られながら…。
もう、何時間新幹線に乗っているだろう。
アキの部屋で見つけた、おそらくユウキ君であろう写真の裏に書いてある病院に真梨子が問い合わせた所、やはりアキが出産した病院である事が分かった。
さらに、その後、真梨子が中野の協力もあり、アキが勤めていた風俗店にアキが提出した履歴書を確認する事が出来た。
真梨子は引き続きアキの部屋を調べていると、高校の卒業アルバムを発見する事ができ、履歴書に記載されていた高校名と照合してその高校に問い合わせた所、アキの彼氏であっただろう人物を知る事が出来た。
それでアタシと真梨子は現在、アキが恋に落ち、出産し、そして現在ユウキ君が暮しているであろう町に向かって、大金の入ったボストンバックと共に移動している。
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