アタシと真梨子は再びアキの部屋にいる。
大きなボストンバックを持って…。
「さて、このバックの届け先を調べないといけないわね。」
そう、アキが中野に預けていたバック=お金は手元にあるが、アキの子供の居場所が分からない。
何か手がかりを探す為、アタシと真梨子で部屋に戻って調べていた。
真梨子はタンスやテレビ周りの引き出しを開けながら中に入っている物を調べている。
アタシはふと、部屋の右隅においてある鏡台に目を移した。
小さな鏡台には引き出しが1つ付いてある。
その引き出しをそっと開けると、中から一枚の写真が出てきた。
「真梨子さん、これ…。」
アタシは真梨子を呼ぶと、手にした写真を渡す。
「まぁ、可愛い…。男の子ね!この子は多分…。」
「ユウキ君…、ですね。」
小さな赤ん坊が写っている写真。生まれたばかりなのだろう。
肌着だけを着せられ、丸い目を大きく見開き、こちらを向いている。
「今は、もう小学校入学なのよね。すっかり大きくなって…。この姿、アキに見せたいものね。」
写真を見つめる真梨子の顔は、すっかりおばあちゃんの顔になっている。
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