午後4時30分。
待ち合わせの時間まで若干早いがアタシと真梨子は中野から聞いた住所を目指していた。
つい最近まで1人で彷徨っていた繁華街。
何だか久しぶりに来た感じだ。
(アタシ…、今まで何やっていたのだろう…。)
アキと出会ったのも、サユリと襲われたのも、トオルと別れたのもこの街だ。
生まれてからずっとアタシはこの街しか知らない。
この街で生まれ、育ち、出会い、別れを繰り返してきた。
次にこの街でアタシの身に起こるのは出会いか、それとも別れか…。
「ここみたいね。」
住所の書いてあるメモと電柱に書いてある住所を見比べながら、真梨子が指差したのは、一軒の雑居ビルだった。
1階の入り口には風俗店の看板が…。
(このビル…、アタシ見覚えある。)
以前、このビルに入った事がある。
間違いない。
いつだったか…。
そう、それはとても寒い夜。
アタシはアキを探していた。
「あっ!」
「ユウちゃん、どうしたの?」
真梨子が不思議そうにアタシの顔を覗きこむ。
思い出した。
アタシが真梨子から初めてアキが風俗嬢だと聞いた夜。
アキを探しに彷徨っていたアタシは、声を掛けられ、このビルに入ったんだ。
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