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作品名:500万とメンソールと17歳のアタシ 作者:北村 裕志

第103回   103
まだ肌寒い2月。


退院したアタシは寒さに震えながら、ある場所へと向かっていた。


夜の港でアキに馬乗りにされ首を絞められていた時…、アキは確かに泣いていた。アタシの頬に落ちてきた。


(アキが伝えたかった事…。そして…。)


大通りから細い路地に入り、さらに進んでいく。


やがて、もう見慣れた扉が目に入ってくる。


アタシは戸惑いもなくその扉を開け、中に入った。






「すみません、まだ準備中なんですが…、あら、ユウちゃん。久しぶりね。」


カウンターの奥から扉の開く音に気付き、真梨子が表に出てきた。


「真梨子さん、開店前なのにごめんなさい。」


「いえ、ユウちゃんならいいのよ。あら、その首どうしたの?」


アタシの首は退院したとはいえ、まだアキに締められた跡が残っているので、アタシは包帯を巻いたままにしていた。


「うん、ちょっとね…。」


アタシはわざと曖昧に言い、真梨子に促されるままカウンターの椅子に腰掛けた。


真梨子は、アタシにオレンジジュースを差し出すと、カウンターを挟んでアタシの向かい側に腰掛けた。


誰もいない、少し薄暗い2人だけの空間。


窓から差し込む西日だけが店内を照らしている。


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