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500万とメンソールと17歳のアタシ
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作品名:500万とメンソールと17歳のアタシ
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作者:北村 裕志
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第102回
102
「ねぇ、ユウ。実はね、ユウにとっても言いたい事があるの。」
「なんだ?」
「サユリにね…、彼氏が出来たの。」
「えっ?良かったじゃん!いつ出来たんだ?」
「先週。同じ部活の先輩なんだけどね。」
サユリはこれまでにない笑顔でアタシに報告してくれた。
今、とっても幸せなんだろうな…。
本当に良かった。
アタシと一緒に男達に襲われた夜…。
それでもサユリはアタシに“普通”に接してくれた。
そんなサユリに彼氏が出来た。
これ以上の喜びはない。
サユリ…、本当に良かった。
「ユウ?ユウ?泣いているの?」
「え?泣いてないよ。」
そう言いながらもアタシの目から涙が止まらない。
いつ以来だろう…。
嬉し涙を流したの…。
アタシが目を覚ましてから3日後。
ようやく退院する事が出来た。
退院する時もサユリが来てくれた。
「無事退院出来て良かったね。ユウ。」
「あぁ、ありがとう。」
アタシはサユリに向かって微笑んだ。
さて…。
(アキ…、どこに行ったのだろうか…。)
入院中のアタシの情報源はサユリしかなかったのだが、サユリはアキと会った事がない。
なので、結局、アキはどうなったのか分からないでいた。
(アキは、あの時…、本当にアタシを殺す気だったのだろうか…。)
かなり、強く首を絞められた。
アキの目は本気のように感じられた。
でも…、アキは泣いていた。
アタシの首を絞めながら泣いていた。
アキの本当の目的は何だったのだろうか……。
そしてもう1つ、アタシの中には疑問が残っている。
その疑問を解決すべく、アタシは退院したその足である場所へと向かった。
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