「ねぇ、ユウ。実はね、ユウにとっても言いたい事があるの。」
「なんだ?」
「サユリにね…、彼氏が出来たの。」
「えっ?良かったじゃん!いつ出来たんだ?」
「先週。同じ部活の先輩なんだけどね。」
サユリはこれまでにない笑顔でアタシに報告してくれた。
今、とっても幸せなんだろうな…。
本当に良かった。
アタシと一緒に男達に襲われた夜…。
それでもサユリはアタシに“普通”に接してくれた。
そんなサユリに彼氏が出来た。
これ以上の喜びはない。
サユリ…、本当に良かった。
「ユウ?ユウ?泣いているの?」
「え?泣いてないよ。」
そう言いながらもアタシの目から涙が止まらない。
いつ以来だろう…。
嬉し涙を流したの…。
アタシが目を覚ましてから3日後。
ようやく退院する事が出来た。
退院する時もサユリが来てくれた。
「無事退院出来て良かったね。ユウ。」
「あぁ、ありがとう。」
アタシはサユリに向かって微笑んだ。
さて…。
(アキ…、どこに行ったのだろうか…。)
入院中のアタシの情報源はサユリしかなかったのだが、サユリはアキと会った事がない。
なので、結局、アキはどうなったのか分からないでいた。
(アキは、あの時…、本当にアタシを殺す気だったのだろうか…。)
かなり、強く首を絞められた。
アキの目は本気のように感じられた。
でも…、アキは泣いていた。
アタシの首を絞めながら泣いていた。
アキの本当の目的は何だったのだろうか……。
そしてもう1つ、アタシの中には疑問が残っている。
その疑問を解決すべく、アタシは退院したその足である場所へと向かった。
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