アタシはアキといたんだ。
アキに殺されそうになったんだ。
「ねぇ、サユリ…。アキはどうしたの!!」
サユリはアタシの叫びにそっと視線を落とした。
「…分からない。」
「…分からないって?」
「アキさんは…、分からない。」
「ユウは、アキと一緒にいたんだ。アキと港に来たんだ。そして…アキは海に飛び込んだんだ!サユリ、アキを助けて。でないと…、でないと…。」
「ユウ、落ち着いて。アキさんはね…、確かに海に飛び込んだかもしれないってユウを助けてくれた漁師さんも言っていた。だから、朝になって、明るくなって…、漁師さんが手分けして付近の海を捜索してくれたらしいの。でもね…、見つからなかった。けど、分からないよ。飛び込んでないかもしれないし、その…。」
サユリは必死にアタシを励まそうとしてくれている。
そう、最悪のケースを考えているアタシを…。
「……そう。ごめんね。ところでサユリ、今日は…何日?」
「2月15日。」
どうやら、丸1日アタシは寝ていたようだ。
「ユウ、お誕生日おめでとう!」
サユリは明るく振舞ってくれる。
「…ありがと。」
「サユリと一緒じゃイヤ?」
「…そんなことないよ。」
アタシはサユリに微笑んだ。
アタシは18になった。
アキが阻止しようとした18になった。
どんな、18の人生になるかはもちろん分からない。
でも…、絶対強く生きてやる!
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