「あ！ユウ！目が覚めた？」
この声…元気いっぱいの声…そして…聞き覚えのある声。
声をした方に首を傾ける。
「うっ。」
首が痛い。
強い力で圧迫されたような痛みが走る。
「あぁ、ダメ。じっとして。」
「…サユリ。」
アタシのベットから少し離れた棚の上に、花が刺してある花瓶を置いているサユリ。
「良かった。目が覚めないのかと思った。」
サユリがニッコリと微笑みながらアタシに近づいてくる。
「ユウは…。」
「なんかね、漁師さんが助けてくれたの。」
「漁師さ・ん…。」
（アタシ、なぜ漁師に助けられたの？漁師…港…そうだ！…アタシ、港にいたんだ…。なぜ…港に？港…遠くで聞こえた何かが飛び込んだ音…。）
アタシは突然体を起こした。
「ちょっと、ユウ。ダメだって。起きたりしちゃ…。」
「アキは！ねぇ、サユリ。アキは！」
思い出した。
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