光り輝くネオン。
もう、このネオンを何度見ただろうか。
絶え間なく流れる人の波。
アタシはそっと髪をかきあげる。
携帯の着信が鳴る。
着信相手を確認する。
相手の名前を見てアタシは安心する。
「はーい。ユウですけど。」
「おい、今日暇か?」
素っ気無い声が電話口から聞こえる。
「ユウはいつも暇だよ。」
「そうだろうな。お前、明日誕生日だろ?いくつになるんだ?」
「18。」
「そうか…。18か。今日は誕生日の前夜祭という事で、ドライブに連れてってやるよ。今どこにいるんだ?」
私の名前はユウ。
カタカナさえ書ければ誰でも入学できる三流女子高に通っているれっきとした女子高校生。
でも、学校なんてたまにしか行かない。
なぜって?
つまらないから。
制服のまま、外に出て、ブラブラする方が楽しいから。
特に夜は。
別に目的なんてない。
ただ、学校に行くより街をブラブラする方が楽しいから。
アタシの家は金だけは持っていて、どれだけ学校に行かなくても決して退学にはならない。
金の力ってどうなの?って感じ。
だけどそれで、特に誰も悲しんでいないからそれでいいと思っている。
1人で夜を歩いていると、つまらない男達がよく声をかけてくる。
アタシ自身どうしても暇でやる事がない時は、つまらない男達の相手をしてあげる。
でも、当然タダって訳じゃない。
それなりの報酬、遊んであげた“給料”をもらわないとね。
世のおじさんたちも“給料”がもらえるから働いている訳なんだから、当然の事だと思うし。
でもアタシの場合、本当は別に“給料”なんていらない。
実際金に困ってないし。
でも、相手をしてあげたと思わせたい。
遊ばれたなんて扱いは御免だ。
その思いを形にすると“給料”となるだけ。
|
|