2層に来て祈りが修行に加わった。今のところ自分でテーマを決められた。わたしのオリジナルテーマは平和。月並みだけど平和のオーラが世界中を包み込んで、原発がこれ以上広がらないように、温暖化が止まるように、大地震やテロが起きないように地上に残してきた家族や友達等を思い浮かべながら祈った。天国を突き破って、祈りが地上に届くといい。
わたしの魂にいた前世の魂達は、一日の大半を祈りに費やし、経典を読んだ。そのかいあって一人の魂が完全消滅した。朗報をわたしが知ったのは、ずっと後の事だった。そして、残りのミクロの魂達はまだ人間らしさを失っていなかったから、祈りと経典のセットを繰り返した。
守護天使の仕事には、地球再デビューした魂の霊感を呼び覚まし、無意識の時も神様と繋がっているようにする働きがあった。前世の魂が沢山入っている新しい魂には、その人数分の守護天使がついている。その中でリーダーになるのは新しい命についた守護天使だった。 そして、それらの守護天使達は、交代交代で天国に戻ってきては霊験あらたかなオーラを身に着け戻り 守ってくれるのだ。 2層よりも上の静寂に包まれている層で、本に囲まれて、わたしの守護霊は分厚いノートを広げて、どんな時にわたしにインスピレーションを送ったか、わたしが危険を察知するように仕向けて守ったかを記し、わたしの性格や行い等の詳細かつ膨大なデータを記録していた。 ちなみに、守護天使が寿命を変える事は出来ない。
さて、わたしは、生前、新年に初詣に行って神社でお参りするだけで満足していた。毎日同じ事ばかりを繰り返してお祈りしていたが、祈りを続けていくうちに意識が変わった。まず、祈りには大まかに分けて3種類あることを発見した。「自分の希望を叶えてもらう為の祈り」「冥福の祈り」「神様に感謝をささげる為の祈り」。わたしは、自分の希望を叶えてもらう祈りばかりしていた。お祈りのポーズだけいっちょ前で、自分が前に出てしまっていてわたしの希望を聞き入れて下さるかもしれない神に対して謙虚な気持ちをほとんど持っていなかった。それで、神への感謝を怠っていた。だけど、祈りの意味にやっと気付いたのだった。主が全ての魂のリーダーであるという事に。そして、祈りを通して自分の精神の器を広げて、精神を高めていくことなのかもしれない。わたしの魂は、美しくなりたいと目覚め始めていた。
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