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作品名:死んだらどうなるの? 作者:mikari

第26回   Part26
パントマイムで花火やろう。大の字で風車のようにくるくる体をまわしていたティーンガールが回るのをやめて話しだした。

「空のキャンバスを独占していた大きな入道雲が溶けて、湿気を含んだ空気がカラッとしてきて過ごしやすくなってきた。
今年生まれたセミ、トンボ、花等の命は、来年はこの世にいないんだ。人間以外の生き物は子孫を残すだけで、自分が生きた証を欲しがらないけど、人は命のはかなさを歌詞や劇や詩に込めて残そうとする。それは、人の意識がいつも自分自身に向いているから?と言うより、一番関心があるのは自分自身だから?
どうして答えがでなさそうな質問に、ない知恵絞っているかと言えば、駅のトイレで貧血を起こして倒れ、頭を壁にぶつけて気絶したからで、意識が戻った時に閃きのようにある想いが頭をよぎったのだった。その想いは、命のはかなさに目を向けて、情熱的に生きようとしないのはもったいない。セミが限られた短い命を与えられて一生懸命鳴くように、わたしも今から日々を謳歌しよう!
命についての自分なりの考えをまとめて、わたしは日記に熱く書いた。
わたしには、保穂季(ほほき)と言う心の友達がいた。保穂季は現実には存在しない。わたしが心に耳を傾けた時にだけ現れ、一度もわたしの中でのさばったりすることはなかった。アンネが日記の中で悩みとかを打ち明けた友達のように何でも話せる秘密の友達。
わたしが生きている友達を欲しがらなかったのは、病弱及び変わり者だから。その時、そうじゃねーよ、保穂季はわたしの言葉をきっぱり否定した。そして、たしなめた。この暑さで壊れちゃった?そーゆーのは人それぞれで、自分にも人にも差別用語を簡単に使うもんじゃないよ。あたしは目を泳がせた。でも本当のことだよ、みたいな?お説教されるとは思わなくて、語尾が上がった。保穂季は人差し指で、チッチッチ指をふって真顔で言った。世間にはまともじゃない大人が一杯いるよ。自分の利益優先で国民目線で政治が出来ない政治家とか。狡猾な頭冷やすために佇んで、孤独になって考えなって思う連中がさ。わたしは納得して頷いた。そうだね。
オタクだからって変態って決め付けられない。
気弱だからって苛められっ子って決め付けられない。
引っ込み思案だからってネクラって決め付けられない。
世の中のスピードについていかれないからってうざいって決めつけられない。
口が悪いからって、嫌な奴って決め付けられない。
あいつは、あーだこーだと決め付けるのは単純。人間はみんな色々な面をもっているんだから。個性はオーラみたいなものなんだよ。体調とかで色が変わる。だから、わたしはいい人とか、わたしは○○と決めつけて無理に演じなければ、ストレスにはならないよね。ちまちました人間も少なくなって、成熟した高尚な心の器になれて、充実した人間関係が作れるようになる。自分の魅力を引き出してくれる大人の出会いが増えて、性描写が過激なドラマや映画に頼らなくてもモラルある刺激で充分になるんだ。お年寄りは、若者からはぐれないで、たまには話しができるようになるし、猫が日向ぼっこしてるみたいな、のほほんとした心地よい日だまりみたいな素晴らしい暮らしができる。
保穂季(ほほき)が言って、後の言葉をわたしがついだ。でもって、お金があれば遊べてより快適な暮らし向きになる。旅行、ディズニーシー、コンサート、ジェルネイル等。ワクワク、キラキラ、楽しさ一杯。だから、いい大学に入ってお金を稼ごう。でも、命がスクスク育って、伸び伸びした環境で真っ直ぐに生きられなきゃお金もなにもない。安全。未来。健康。希望。愛。勇気。誠実。夢。理想。切磋琢磨して、頑張るぞー。

あれから、どれくらい時間が経ったんだろう?わたしは病気で死亡して、
天国で時々感じてる。
死ぬ間際に生きた証を残すより、地上で、元気なうちに一人でも多くの人と関わって人々の心の中に生きて、語り継がれていかれるような立派な人生を歩める方がいいって。忘れられて、過去の人になるってさびしいことだもん。大人達が子供のリーダーになれて、少年が大志を抱けますようにー!フレーフレー生きてるみんな。」ティーンガールの魂は、言葉を切った。

心を大切にした、話し合いの場が増えることをわたしも願っている。地上にいる一人ひとりが、友達を多く作って信頼関係が築けますように。そして、大人も子供も、カラッとした明るい笑顔を発信させて、ハッピーに暮らせていかれますように。大事なのは、いい面を見ることよね。
わたしは、祈祷した。


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