生前を振り返ったら、経験した愛はバラエティに富んでいた。限りない愛〜軽い恋愛まで。両親、兄弟、祖父母、彼氏との愛まで。と言っても親から受けた愛を付き合って浅い彼氏から受けた愛と比較は出来ない。両親から受けた愛は無限で地上にいるゾウを全部集めたよりも重い。 親孝行する前に死んだ事が残念でたまらない。
修行の一環で、修行から学んだ色々な事を材料に家を建てたら、しょって歩けるくらい小さくてやどかりを思い起こさせた。だけど、わたしが築き上げたマイホームだった。 3層は、本格的な精神世界の入り口だった。3層まで上がってきた魂はみな自分の家を建てていた。愛の修行には、プライバシーが必要になるものもあるからだった。ちなみに、家は組み立てたり壊したりする事が自由に出来て、愛の修行の時以外は必要なかった。
3層で初めて見た子供の天使は純粋な神の血筋をひいていた。明るくひとなつこい天使から真面目で表情の乏しい天使まで性格はさまざまで、みんな無口だった。いつも愛の修行を行っている魂の周りを背中に弓をしょって、腰に5.6本の矢が入った矢筒を着けて飛んでいた。子供の天使達は修行中の魂の1メートル上にいて下に降りてこなかった。矢の命中率は100%で、わたしが結婚しなかったことを悔やんだ時に肩に矢が命中した。ビクッとしたけど、痛みも衝撃もゼロだったし無傷だった。矢が当たってちょっとしたら、こみ上げてきていた欲望が、未来への希望に溶けていた。わたし達魂が、生前達成出来なかった愛について考えて落ち込みそうになるのを防いで、愛の本質を見つめなさい、と促してくれる矢。ちなみに、孤独死を遂げた魂とか、虐待を受けた魂には、もう一人じゃないよ。愛の本質を見つめて前進しなさいと促してくれる矢でもある。天国は、タトゥーを掘っていても受け入れるけど、聖水を浴びて何度も洗い清めなければいけなかった。世話役の天使からOKがでるまで自ら体を傷つけた者は修行を始められなかった。男神が血を苦手としている事が理由の一つだった。
わたしに愛を与えてくれた両親、兄弟、彼氏、友達の住む地球ごと、感謝と愛の気持ちで包みたいと願う。みんながいたから、わたしの人生は色彩を帯びて豊かだった。未だわたしが持ち続けている残念な想いを浄化する為、祈りはじめた。
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