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作品名:ダークス・ヘブン 作者:tokision

第1回   蛇と少女が剣で
我は王として奴隷を従えてきた世界。
我は夢を見ていた。

ただ夢を浸っている朝の二度寝の瞬間で、それに浸っていたくなる感覚だ。
ああ・・・我はこのままでいいのか?

その中にも我の力を求めて、攻め込んでくる人はいたのだが・・・、我の毒に気が落としてしまうのだ。
奴隷に言葉を広め、奴隷に仕事を差付けた。

「王よ、偉大なる王よ」

奴隷の中には狡賢く者がいて、甘い汁を吸っているものがいる。
それ者は、いつも偉大だ寛大だと我に言っているわけだが・・・心から出ているものではない。
赤髪が一番の特徴的な、名は”ヴォル・ファーレンス”。
通称”王に甘え上手”だ、今日は一段とうるさく、媚びて来る。

「・・・なんだ申せ」
「王よ・・・恐れながら・・・・王の奴隷の我らに中に王の血が欲がる者がいるようで」

ほう・・・我の血を・・・欲すか?
「恐れながら王よ、王の血を求めんと願う国民の思いがあります。」
「ほう・・・だが我が血は我のものしかいないぞ?」

「違います王よ、王の血筋を引いた子を願っているのです。」
王は、その事は避けたかった。
なぜなら、我の血は神への血筋にして申請なのだ。
我の存在は一生にして絶対である。
血筋を残すときは我の最後なのである。
我はそれは避けたかった。
だが・・・それはかなわなかった。

フォーレンスの裏切りにより我の血から、奴隷としてクローンのような化身をしている。
人間の姿だが頭は蛇である。
我から見ても不気味に見える。

「王よ、ご覧くださいあなた様の息子たちです。」
「きさま・・・!!」
フォーレンスの周りには無数にそれが不気味に立ち、舌を不気味に出している。
目には我が映りる・・・。

我の自称息子たちは奴隷を鞭でしばり、人の肌をむさぼり。
この地を貪り人は狂い、なんとおぞましい事か。

我は王から玉座から引き釣り下ろされ。
我の居場所と一緒に存在がなくなる・・・、我は絶望した。
人がなす行為、人の存在・・・息子は神という皮を被っているだけで、人の欲の塊にしかないのである。
本当にあきれることか・・・。

我は近くの川を泳いで昇る、運河の流れは強く流されるが・・・ただ泳いでいよう。

何世紀たつだろうか・・・?
我は人の形も属さず、無になって希望もなくなってしまった。

どこの水辺だがしらんが・・・、一人の小娘が水汲みをしている。

川は我が支配している私だが、小娘にやつ水なんて一滴もない。
だが小娘は水を汲もうとしている、我の存在は運河の民なら知らしめているはずだ。

小娘にすこし試してみる。
「・・・・!!」
水を手で触るが、彼女はただ震えるだけだ。
それだけじゃない、水の手をバケツですくいとってしまう。
我は不思議で思えなかった。
「神様・・・ありがとう私のために・・・」
我はどうやら手助けだと勘違いされてしまったみたいだ。

おもしろい、小娘よ、今回は許そう。

だが、運河から立ち去る小娘に運命がおきた。

「ぎゃ!!」
叫びあがる小娘に、無数の少年が棒でなぐる。
少年もまた水を欲するものたちなのだ。

小娘の服は黒くそまり、バケツは空になる。
血が出すぎたか・・・小娘は痙攣を起こす。
「ウギュ・・・アアア」
「小娘よ・・・思えに力を与えよう、今の苦しみから解放してやろう」
「だれ?あなだはだれ・・ぎゃ!?」

「我はただの破壊と絶望のを呼び寄せるならずものである・・・」

「そんなあなたに力をもらってうれしい?」
ほう・・・小娘が珍しい事をほざく。
「試しに受け取るがいい」
我は小娘の心の臓に剣を刺す。
「ギュウううウガ・・・」
悶える小娘がその剣を引き抜く。
あまりにもむごい事にもおもえる。
死なすよりむごく見える。
「わたしは・・・死にたくない」
ビュシュシュー
胸から水が噴水のように流れ落ち、小娘が苦しそうに肩で呼吸している。
「契約の印は重いものだ・・・つらかろう」

「わたしは望んでいない」
「運命なのだ小娘よ」

我が勝手に運命を刻みつける。
小さな小娘よ、姿は変わり果てる姿になる。
金髪の神は血で黒くそまり、肌は白くなる。
「小娘よたて」
「あなたは何者よ・・・」
小娘は剣を振り回されるように我の声に向かってくる。
バシャバシャ
だが水の感触しかないのだ。
「何も見えないのよ・・・くらいのよ」
ひとつの失敗は小娘が盲目だっていうことだ。
「怖がることはない・・・小娘よ我はここいる。」

剣から声がする、小娘は不気味に引きつり。
剣を投げ出した。
このままでは、いかん。
「小娘よ・・・お前の望む光を求めるのなら剣を持て願え」
運面なのだ小娘よ、我が出会うこの瞬間から、歯車が廻るのだよ。
「イヤ・・・・いやあああぁあ」
小娘は走り出す、我と共に。
少年の前方、後方。
「イヤ・・・」
小娘は望まなかった、自分の影の自分を。
自分の気持ちを抑えられずいられなかった。

「私は・・・ぐぅ・・・」
頬には返り血と黒い涙。
体も心も漆黒の闇に捕らわれた。
黒い色で潤すが、彼女は潤いがみてなかった。

煙が漂う闇にぼんやりと灯りを光をともし、酒とタバコ。
奴隷による裏酒屋だ、生まれも育った場所。
「アハクハハハ」
小娘はおかしくてしょうがない、鉄臭い部屋で満ちた空間が心地良かった。

盲目の彼女が力という眼を手にいれる暁には自由なのだ。
彼女の望む運命なのだ。

「小娘よ、望むがいい本能のままに生きるとよい」

何よりの私からの希望で、彼女に未来を託したのだ。

[望むままにかなえたくて]

骨が剥き出しになった馬の屍が無数。
腐臭に満ちた空気に、死の空間の中に満ちてる。
馬は死の世界にようこそと、歯をむき出しに笑って歓迎しているようだ。

「なんて心地よい空間だろうか」
黒いローブを風に靡かせ、中年の男が佇む。
彼は、死の観察者なのだ。
彼の宿命で運命なのだ。

戦があれば、彼がいる。
死があれば彼がいる。
死神という呼び名が通った。

戦人の中では、ちょっとした有名な話だ。
見たものには死がある、死を約束した人という。
彼は困ったものだ、ただ死をみているだけなのだ。

「ハハハハ・・・・」
おかしくてしょうがない、死は運命なのだ。
早めるか、遅めるか自分次第なのだ。
世間は噂話が好きなのだろうな。

「さて見回ろう・・・」
ただ観察しているわけじゃないのだ。
生存者がいれば、介抱することもあるのだが・・・。
気持ち悪いほどに即死したものたちの屍しかないのだ。
幾度の死を見てきたが、静まり返った死は初めてだ。
死者の甲冑や貴金属など、ぼろ布につめ。
後は、隊の隊長クラスの屍を探しては、高価そうなものを探るのみ。
「哀れなものだよ・・・」

皮肉にも、自分や死者にも言えるざれ事だ。

「さて、潮時らしい」
死者に群がるのは同類ではない、食らう魔物も沸いて出てくる。
魔物につっては、生きた肉のほうが好ましいく。
戦場の戦士をとどめさすかのように食い荒らす。
無論、私も対象なのだ。
奴らに対抗できる力は身につけているが、面倒事より快楽を得るのが一番。
「づらかるか・・・」
魔よけのタバコ、付加しながら後にする。

「都までは・・・」
都まで行かなければ、戦利品は金に返られない。
「あそこの山まで飛ぶか・・・」
岩を踏み台に勢いよく飛ぶ、風に乗った鳥のように去っていく。
彼もまた、人であるざるもの一員である。

レイン・ホットバレー、通称雨に祝福されし都である。
名のとおり、雨により水が豊富であり。
水により人々の潤いに満ちた場所である、それゆえ。
奴隷や貴族など位など身分の差はいない。
だが、魔族に関しては厳しい。
血を吸うヴァンパイヤ一族などいるが、それなりに都のルールにのっとり暮らしている。
つまりここは、平和の象徴でもあるのだ。

怪しいごろつきが見かけるが、影では悪さするものもいるが、大半は都の騎士により治安が守られる。
「平和だね・・・ここはいつもそうだ」
「死神さんじゃねぇーか、まだ死なないのかいそんなことしてて」
戯言を、俺もここに溶け込んでしまったな。
頑丈な鉄壁できているような、錆びた外見の町工場のような、鍛冶屋。
都の印の鍛冶屋が特徴で、武器から鍋までお手の物が売りらしいが・・・。
「鍛冶屋・・・こいつ頼む」
「・・・おう・・・、それより例のやつできてる・・・受け取ってくれ」
「いらねぇーよ」
「いつも世話になっているから、お守りでうけとってくれねぇか?最近あまりいい噂聞かないな」
腕自慢の鍛冶屋が作った、武器だ。
本音をいうと、力あるものに使わせて店の名前を売るのが目的なんだろうが。
「お互い様じゃないか?死神ふさわしいものだ」
裏に廻れと手で振ると、やれやれしょうがない・・・。
鍛冶屋とは顔見知りで200年の付き合いだからな、たまには付き合ってやろう。
「で・・・例のものは」
「見て驚けよ、一式がバルレニト質で作って、双剣だからな。ちょっとクセがあるが・・・」
高そうな、ケースを机に置く。
「ん?なぜケースに入れてる?」
「それは、外に持ち出せるようにな・・・」
開けなというそぶりで、鍛冶屋は振り返る。
「やれやれ・・・いい年してまだ自身がないのか?」
「いや・・・まぁ・・・なれないな」
ケースを開けると、第一印象は黒い塊のような色。
形の印象は、十字架だ。
そのまんまの形だ。
十字架を取り、鞘を抜く剣は色は薄暗い銀色、もうひとつの剣は売るくらい金色が特徴的だ。
それと、双剣と円状のナイフがある、これはサイクロン型の投げないナイフが五個ある。
「鍛冶屋もいい趣味もっているな。使わせてもらうよ」
「はは・・・さすがにあんたに使ってもらうとこっちは嬉しいもんよ、おまけにもうひとつ受け取りな。」
アンタのお似合いだよと言うかのような、大鎌を指差す。
「こいつは、使い道なさそうだがな・・・」
「まぁ使い時がきたら使ってくれ。」
立ち去る鍛冶屋の背中には嬉しそうにしている。

「お互い素直じゃないな・・・」
もらったものはついては、どう使うか考えてなかったが、とりあえずバルレニト質一式の武器は魔物にきくのだ。
魔族が屍の地層より採掘し、人類が使う鉄よりは丈夫で魔物には特に切れ味がいいのだ。
「さてこいつらはどうもちかえるか・・・」
鍛冶屋め、都の騎士団につかまってしまうな。
まぁ、なんとか大鎌は羽織ってるローブに隠せるがいいが。
「意外にしっくりくるじゃないか・・・鍛冶屋め」
しぶしぶ、してられない帰ろるか。

鍛冶屋から出て人ごみに紛れこむ。
都の人の多さは有名だ、なによりうざいのは、小さなゴブリンが足元から盗みを働く・・・。
だが、ゴブリンの一生は足で踏み潰されるか飢え死にするかのどちらかだ。

醜いというものがいるだろうが、そういう世界のルールなのだ。
だが、俺には関係ない。

落としたふりでコインを一枚おとす。

それが俺のルールみたいなものだ。

人並みを抜けて家につく、まずは武器をクローゼットの裏の隠し部屋に置く。
魔よけのタバコをつけ、居間の椅子に深く腰掛け足を机に置く。
後は、まどの無効の闇を待つのみだ。
目を閉じれば、疲れが消える、それが俺の魔法だ。


噂は後になって流れてくる、それが噂である。
どうやら、この前の戦の話のようだ。

どうやら、一万の大隊を一人の少女が倒した。
魔女が現れた、魔女が都にいるだとか・・・。
それは、とても興味深い話だ。

戦の後を見たとき、光景が奇妙すぎる点とあまりにも、綺麗に頭部がなかったことだ。
興味深いなぁ。


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