20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:島の人 作者:サヴァイ

最終回   1


 この物語の舞台となったのは、南太平洋の赤道近くにあるたくさんの孤島のうちの一つの島である。
 周囲を環礁に守られたこの小さな島は無人島で海岸に小さな波が静かに打ち寄せているだけだった。
 ある日、一隻の船が座礁してそこから船を捨て救命ボートでこの小さな島に避難した。乗っていたのは二十五名の男女で、彼らは仕事を求めてもっと大きな島に行く途中であった。
 珊瑚の残骸でできたこの白い砂浜に、最初の数人が着いた。それからボートを数回往復させて、残った人と必要な荷物、食糧を運んだ。
 彼らは疲れとこれからの不安で憔悴しきり、砂浜に近い樹木の陰に座りこみ、自分たちの船が外海の荒波に叩かれて沈みつつあるのを黙って見つめていた。
 「俺たちはこれからどうなるのだろう」と誰かが呟いた。
 「大丈夫さ、救助信号は出したんだ。そのうち助けに来てくれるさ」
 他の者が言った。
 暫くして、皆の中でも年長とみられる数人が立ち上がった。
 「こうしていても仕方がない。救助がいつになるかわからないが、それまでは自分たちで何とかしなければ」
 「そうだ。みろ、陽も傾き始めている。夜になる前に寝る場所を作ったり、それに食事をしなければ」
 「よし、みんなで手分けして取りかかろうじゃないか」
 その言葉で皆の気持ちは現実に戻った。皆は疲れた体に鞭打つように立ち上がり、それぞれ手分けして作業に取りかかった。薪を集める者、寝床を作る者、魚を捕る者。頼れるのは自分達しかいないのだと。
 夜になった。
 無人島の夜は、浜に優しく寄せては返す波の音しか聞こえず、その静けさが彼らを一層孤独な気持ちにさせた。彼らは焚き火を囲んで故郷の唄を歌い、踊り、お互いの家族のことや仕事のことなどを語り合ったりして一夜を過ごした。
 それから二日間が過ぎた。
 交代で海を見張り続けてきたが船らしき影すら見えなかった。救いの船が現れるのは今日か明日か、それともずっと先のことなのか。二日経っていよいよじっとしていられなくなり、彼らは島を調べてみることにした。数人を残して、島の奥の森林へ入る者、 海岸伝いに行く者とそれぞれ分かれて出発した。
 海岸に行く者の中に、ロイとミリアという恋人同士がいた。初めのうちは皆一緒に進んでいたが、途中で休憩する者も出て、いつのまにか二人だけがどんどん先に進んでいた。磯伝いに歩いていくとだんだん砂浜が狭くなりやがて前方に見上げるような断崖が現れた。
 「どうする、ロイ」ミリアが断崖を見上げて言った「ずいぶん高そうね」
 「そうだな、あの高い所に行けば島がよく分かるような気がするな」
 「でもどうやって登るの」
 「ほら、ちょっと回り道になるが、あそこの木の生え際を伝って登っていけばいい。行こうミリア」
 二人は一時間ほどで頂上に着いた。先に立ったロイが叫んだ。
 「見ろよ、ミリア! ここからだと島が全部見渡せるぞ」
 「本当!」
 ロイの隣にミリアも立った。
 「ねえ、この島は細長いのね。ほら、あそこの海岸でしょ、私達が着いたのは。そうすると…」
 ミリアは視線を海岸から海に伸ばした。
 「もうすっかり沈んでしまったのね、私達の船」
 ミリアは不安気にロイを見つめた。
 「もう二日も経ったのよ。助けに来てくれるのかしら。ほら、どんなに見渡しても海ばかり。ロイ、船が来なかったら私達どうなるの」
 「大丈夫さ。救助信号は打ったし、僕らの船が着かないとなれば、すぐ探しに来てくれるはずだ。それまでこの島でのんびりしようと思えばいいさ。魚は豊富だし、木の実や果物もあって良いところじゃないか」
 ロイは腕を大きく広げて深呼吸すると遠方の森を指差した。
 「ほら、あの森に仲間が入ってるはずだ。何か見つかったかな」
 ミリアも目で追った。その森の向こうは丘のようだった。
 突然、ロイが声をあげた。
 「おや、何か白い物が見えたぞ、なんだろう。光ってるみたいだ…ミリア、ほらあそこを見てごらん」
 「あれ、おかしいな。あの木の間から確かに白い物がみえたんだがな」
 「あっ、ロイ、光ったわ」ミリアが今度は先に叫んだ。
 「そうだろう。やっぱりあれは光みたいだな。あそこに何かあるんだ。ひょっとして誰かいるかもしれんぞ。ミリア、行ってみよう」
 「でもちょっと遠くない。時間大丈夫かしら」
 「まだ昼にもなっていないさ。行こう」
 二人は立っていたところから森の方に降り、中に入って行った。光は木々の間から見え隠れしている。 
 「ねえ、ロイ。なんだか怖いわ。何があるのかしら…戻ってみんなと来た方がいいんじゃないの」
 「もう少しだよ」
 ミリアは足場に気を付けながらロイの後ろについて歩いていたが、だんだんはっきりしてくる光が何なのか思うと不安になってきた。
 「ミリア、あれだ!」
 先に立つロイが叫んだ。
 二人が目にしたのは樹木が投げ倒されたそこにすっぽりはまっている直径二〇メートルほどの白銀に光る物体だった。
  *   *    *    *
 「少佐、時間はあとどれぐらいだ」
 「はい、四時間です」
 前方に目的の島が見えている。
 「雲もなく風も穏やかだな」
 「実験にはおあつらえの天候ですね」
 艦長は白波を立てている環礁を見た。
 「もうこの母艦では無理だろう。少佐、上陸艇の準備をしろ」
 「はっ」
 少佐は両足をピタッと貼り付けて姿勢を正すとその場から立ち去った。
 まもなく母艦から二艘の上陸艇が島を目指して出発した。環礁の切れ間を通り、遭難した若者たちが着いた海岸へと向かった。
 第一上陸艇には、艦長、少佐、数人の将校と白衣に身を包んだ科学者が数人乗っていた。
 第二上陸艇は、全体が装甲されていて中は見えない。
 「艦長、海岸で煙が上がっています」
 双眼鏡を手にした一人の将校の声に全員が海岸に目を凝らした。
 艦長は双眼鏡をのぞき込むと口元を歪ませた。
 「人がいるようだ」
 「えっ、人ですか」少佐は驚きの声をあげた「厄介ですね」
 艦長と少佐は顔を曇らせて黙った。
 その頃、島では浜に残っていた者たちが空母を発見し、急いで火を起こし煙を上げていた。
 二人の者が島の奥や海岸に行った者を呼び戻しに走った。
 空母から二艘の船がこちらに向けて来るのがわかると、彼らは喜びに沸いた。
 しかし、先頭の船に乗っている者たちが、軍服姿で銃を構えているのを見て不安になってきた。
 やがて、二艘のうちの第一上陸艇だけが浜に着いた。
 艦長は、不安げに立ちすくむ若者たちの前に突き進んだ。
 「君たちはどこから来たのだ」
 だが言葉が通じないようだ。
 「言葉の分かるやつはいないのか」と大きな声をあげた時に
 「分かります」と森の入口で一人の青年が答えた。山奥から戻ったところであった。
 青年は、座礁してこの島に避難したこと、救助信号は打ったことを話し、艦長に
 「あなた方はそれで来てくれたのですね」と言って笑顔を向けた。
 「いや違う。偶然だ」
 艦長は手を横に振ると戸惑う青年に背を向けて若者たちから離れ、将校たちを呼び集めた。
 「我々には実験の観察、調査という任務がある。彼らを乗せたまま行うことはできない内容だ」
 「艦長、彼らの遭難については国際的に受信されていることでしょうか」
 「今、そのことで母艦から本部に問い合わせている。本部からじきに指示が出るはずだ」
 不安気な若者たちと艦長ら一行の間に静寂が流れた。
 「艦長、母艦からの通信です」
 上陸艇から出て来た将校から電文を受け取った艦長は皆の顔を見て言った。
 「救助信号は確認されている。彼らを母艦に乗せること、その後、母艦に近い航海中の船を向かわせるからそれに移すようにとのことだ」
 艦長は電文をポケットにしまうと険しい顔つきで
 「時間がない。彼らをすぐに我々の上陸艇に乗せるのだ」と将校に命令した。
 それまで艦長らの様子を見守っていた若者たちは歓声を上げ、急いで各自の荷物を手にして集まり始めた。将校が先頭に立ち、彼らを率いて乗船しようとした時、彼らの間からざわめきが起こった。
 「ロイがいない!」
 「ミリアもだ!」
 青年は将校を呼び止め、二人がいないから待ってくれるように頼んだ。
 将校からそのことを聞いた艦長は憮然とした表情で
 「時間は決められているのだ。後の二人は我々が探すと言って、早く彼らを船に乗せたまえ」
 将校にはこの言葉の意味が通じた。彼ら軍人にとっては、任務が第一で人命は二の次であった。彼らは実験を成功させなければならないのだ。
 若者たちを乗せた上陸艇は母艦に向かって去った。
 「厄介な荷をしょい込みましたね」
 「まったくだ。救助信号が確認されていなければ、奴らをこのまま放っておいても我々は正当だ。この島は我国の領海にあるんだからな」
 艦長は憎々しげに言葉を吐いた。
 「それでは準備にかかりますか」
 少佐は艦長の命令を待った。
 「よし、第二上陸艇を岸につけさせろ」
 艦長の合図でそれまで海上で待機していた第二上陸艇がおもむろに岸に着き、船側の ハッチが開いた。
 中から最初に出てきたのはロープに縛られた数頭の豚や羊であった。将校たちはその動物たちを森の入口の木に縛り付けると、次に浜に鉄柵を組み立てた。そして船の中から鎖につながれ、囚人服を着た数人の人間を連れてきて、その中に閉じ込めた。
 白衣の科学者たちは、計器類や金属板を設置した。
 「これで完了だな」艦長はそう言うと腕時計を見た。
 「あと二時間か。よし、退避しよう」
  *   *    *    *
 その頃、ロイとミリアは、木の陰から目の前の白銀に輝く物体を眺めていた。物体は、下半分がえぐられたような地面に埋もれているようだ。
 そしてその底の方からかすかに唸るような音がしている。
 「いったいなんだろう。建物にしては窓もないし」
 「中に誰かいるのかしら」
 「近くに寄ってみようか」
 「だめよ、危ないわ。何がでてくるかわからないのよ。みんなともう一度見に来た方がいいわ」
 ミリアに腕を取られてロイもしぶしぶ元来た道を戻り始めた。
 浜に戻った二人は、目の前の光景に目を疑った。仲間の姿が1人も見えないかわりにロープで縛られた豚と羊がいた。
 「ロイ、何、これ」とミリアは唖然としていった。
 「さっぱりわからん。誰か来たのだろうか。みんなはどこへ行ったのだ」ロイも驚いた表情であたりを見回した。
 「ミリア! あれをごらん」
 それは鉄柵の中の鎖につながれた囚人たちの姿だった。
 囚人たちの方も二人に気が付いた。大声で何かわめいて弱った体を鉄柵にぶつけていた。二人は恐る恐る近寄った。言葉は通じないが身振りでここから出してくれと叫んでいるようだ。だが必死なその異様な形相と囚人服におじけずいた二人はそこから離れると自分たちの荷物が置いてある所へ行った。
 「まあ! ロイ、無いわ。みんなの荷物が。あるのは私たち二人の分だけよ」
 「やっぱり誰か来たんだ!」
 ロイの顔は落胆のあまり青くなった。
 「でもどうして僕たちを置いて行ってしまったんだ…それに、どうしてあんな動物や人を置いていったんだろう」
 二人はわけも分からず、身体も疲れ切ってしまい、その場に座り込んでしまった。
  *   *   *   *
 母艦は、遭難した者たちを迎えに来た船に移すと、すぐ実験の観測体制に入った。
 三〇分後、空母から島に向けて発射される爆弾の威力を調べるのが目的だ。
 爆弾の名は一般には『中性子爆弾』と呼ばれている。部分的な放射線強化兵器になりうるのではと注目されている兵器だ。
 「艦長、この実験の結果によっては、実際、戦地での部分使用が可能になりますか」
 「科学者たちの予測データーによると、今までの核爆弾との違いは、熱線や爆風や残留放射能が少ないとのことだ。うまく開発すれば可能だろう」
 艦長は実験データーの資料を広げると『有効性について』の項目を指差した。
 「熱や爆風による物理的被害を最小限にとどめ、透過力の大きい中性子線を敵軍戦車の内部に到達させ、中の兵士を無能力化させる兵器であり、その具体的殺傷効果として、爆心地においては、被爆者は中枢神経の障害で、時間、空間、物体に対する認知能力を喪失し、行動不能に陥り、短時間ないし数日以内に死亡する。やや離れた地点においては、悪心、嘔吐、胃腸粘膜のひどい損傷のため下痢が続き、やがて脱水状態になるなど、主として胃腸管系の障害で一週間以内に死亡にいたる。さらに離れた地点では、食欲不振、嘔吐、皮下や口腔内に出血、血小板の減少で止血しにくく、白血球の減少にによる細菌感染への抵抗力の低下、病原菌や雑菌の体内での成長・繁殖など、主として造血器官の障害で一,二か月で死にいたる。さらに、これらの急性の死を免れた者でも晩発性の障害が発生するであろう。以上のことから中性子爆弾が対戦車兵器として有効性を発揮するのは、敵軍戦車が同盟国内にまだ侵入してこない、戦争のきわめて初期の段階であろう…」
 ということだ。
 「もし報告書の通りだとしたら、戦地規模に合わせた部分核兵器の使用も可能になるだろう」
 艦長は重々しい声で言った。
 この実験はこのデーターを裏付けるための重要な極秘の実験だったのである。
 発射の時が近づいた。
 母艦は静まり返り、秒読みの声が響き渡った。
 「五、四、三、二、一、ゼロ」
 発射音の衝撃が館内を走った。
  *  *   *   *
 島の浜辺では母艦が置いて行った動物や囚人が力尽きたかのようにうずくまっていた。ロイとミリアも座り込んだまま静かな海原を眺めていたが、いつしかうとうとと眠ってしまっていた。
 静寂につつまれたこの島の中で、しかし異常をすでに瞬時にとらえていた者がいた。
 それはロイとミリアが発見したあの銀色の物体である。
 物体の中では島に発射された爆弾の分析がすぐなされた。重水素、ベリリウム、プルトニウム等の原子構造からなり、それも中性子を大量に放出させる反応をおこさせる爆発物であることがわかると、すぐさまこれに対応するプログラムが組まれた。
物体にとって、大量の中性子線は物体外壁の構造に反応を起こさせる危険があり、瞬間的に生じる強力な磁力線は計器類を狂わす恐れがあった。
 物体からレーザー光線が発射された。それと同時に物体から二キロメートル範囲内に大気バリアーを張った。バリアーはロイとミリアのいる海岸線まで達していた。
 上空に閃光が走った。レーザー光線が爆弾を貫いた。
 爆音が島を揺さぶった。ロイとミリアは突然の轟音に眠りからたたき起こされた。何が起こったのかわけも分からず、上空を見上げると島の上の空がすさまじい火花を散らしていた。
 そして火の玉のようなものが上空へ昇っていくのが見えた。
 ミリアは震えあがりロイにしがみついた。
 上空の火花がやがて下にも広がり始めてきた。この火花は大気バリアーと核爆発によって生じた、X線、ガンマ線等の電磁波がぶつかり、消滅していく反応であった。
動物たちはロープを引きちぎらんばかりにもがき、囚人は叫び、うめき、鉄柵に体当たりしていた。
 大気が熱くなってきたので、ロイはミリアの手を取って森の奥へと逃げ込んだ。それは二人にとって幸運だった。バリアーは爆発エネルギーの消滅に従って徐々に縮小を始めたのである。
 一方、バリアーに押し返された衝撃波は、そのエネルギーを外側に向けた、それは第一次、第二次の衝撃波となって海水を叩きつけ、環礁よりももっと外へと海水を押し出した。そうして押し出された海水は、やがて大気の薄くなった島の側へと逆流し始め、大津波となって浜をすっぽり飲み込んだ。
 何回かの津波がやがて収まり浜はようやく元の静けさを取り戻した。
 海も穏やかになり、上空の空には炎が消え去った後、まるで何事も無かったかのように青空が現れていた。
 物体はその様子を観察してバリアーを解除した。
 森の奥へ奥へと逃げ込んだロイとミリアは、火花が弱まり、まったく消えてからもしばらくは様子を見ていたが、すっかり青空も戻り、何も起こらないようなので浜へ戻った。
 浜に近づくにつれ、窪地に海水がたまっていたり、樹木が重なり合って倒れていたりしてすっかり様子が変わってしまっていた。
 「津波があったんだ」
 「信じられない」
 ロイとミリアはこわごわ浜に向かった。
 浜の様子も一変し、動物や囚人は消えていた。サンゴの塊や小石がごろごろしていた。
 別世界に飛ばされたような出来事に二人はただぼうぜんとたたずむのみであった。
 二人は背後の森から一筋の光が、かすかなキーンという音を伴って青空に消えていくのさえ気が付かなかった。
  *   *   *   *
 二日後、母艦が島の近くにやって来た。
 艦長は、爆弾が地中に届くより前の、高度千メートルで爆発 してしまったことについて調べなくてはならなかった。それに、望遠カメラで映し出された島全体の異様な反応が解せなかった。
 上陸艇で浜に降り立った艦長は、大規模な津波の後を見て唖然とした。
 「あの規模の爆弾でこんな大きな津波が生じるとは今までの実験でも考えられないことだ」
 「爆弾の構造に間違いがあったのでしょうか」
 調べるにしても実験用の計器類や動物も囚人も跡形もなかった。
 「残留放射能はどうだ」
 艦長は科学者の示す測定器を見た。
 「信じられません。平常とほとんど変わりありません。中性子がもっとあってもよいはずなんですが」
 「島の奥へ行ってみるか。何か見つかるかもしれん」
 艦長の言葉に、森へ向かい始めた一行は、先方で二人の男女がじっとこちらを見ている姿を発見した。
 「艦長、あれは……」
 「そうだ、島に取り残された二人に違いない」
 「二人は生きていたのですね」
 「まったくだ。さっぱりわからん。今度の実験は狂っている。本部に失敗の報告をせねばならないだろう。もう一度実験をやり直すしかない」
  *   *   *   *
 島から一気に飛び立った白銀の物体の中では、今回の突然の出来事を受けて報告書が作成されていた。
 「太陽系第三惑星においては、恐竜時代よりも悪趣味な知性を持った生物が存在しており、児童の社会見学及び観光地にはいまだ不合格とする」


                               完


■ 目次

■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 389