机に彼女のマニキュアで描くライオン 黒と緑の旗を持つライオン バイクでレコードを売りまわるJamaicaの名ドラマー 彼が主演のムービー流れるTV コンポからはmixCD 彼女が怒るであろうと思われるペースで進むマニキュアのペン Jamaicaの国旗 ライオン ROCKERS Revolucion チェ・ゲバラ 自由と革命 求める 二十代 一名
起き抜けは吐き気をもよおす。机を汚すことに集中、吐き気を忘れるぐらいに集中。気分がすっきりしたら一日の始まり。ミルクティーにタバコを一本、彼女のベランダで吸う。(このベランダからの風景も見慣れたもんや)タバコを中間まで吸ったくらいに現れるヘラクレスおばちゃん。 中世ヨーロッパのナイトが着ている鎧の様な、切れ目が無数に入った黄金のスカートを身に付け通りを闊歩する。歩くたびに無数の切れ目から太股とパンツが丸見えです。下に衣着せぬ堂々たる姿は、二月の寒さを感じさせない。彼女はいつも俺に勇気と希望を与えてくれる。あのスカートをチョイスする彼女のアグレッシブな力を受けると、俺の中の〔今日もやりまっせ中枢〕が発動するんや。ところで彼女はどこへ戦いに行くのだろうか?徐々に小さくなってゆく彼女の姿。また会おう。ヘラクレスおばちゃん。 気分も高まり 「ウニ!」 と叫ぶ。 小学生の時、エロビデオを観賞中に親が帰宅したことを知らせる合図がウニ。二十をこえると妙なことを思い出す。気合いも入り、シャワーを浴びて、洗顔、ハミガキ。彼女を起こさないよう忍び足で仕度を済ませる。 部屋を出るまえにベランダからの景色を覗く。快晴の下にかすかに映える、遠く向こうの東京タワー。東京へ来て四年、生きる方向性を決心させてくれた人との出会い。大好きな下北沢。深い思いが詰まったこの街へ、また戻ってくることを誓い、彼女の部屋をあとにする。
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