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作品名:幕末恋愛事情 作者:のばこ

第1回   過去へ
ここはどこ・・・?

さっきまでいた風景とは何かが違う。

めの前にある風景は変わらないのに空気が違う。


この春大学に入ったわたしは高校の終わりから付き合っていた彼に会いに行く途中
道に迷ってとある神社に迷い込んだ。

そこにあった神社は古ぼけていて、道に迷って困っていたのと
今後の彼との関係を神様にお祈りをしようとした。

お賽銭を投げ入れて縄を揺らした。

その瞬間。

世界が揺れた。目の前の風景がぐにゃりとまがり目眩がした。

怖くなって目をつむったけれど次の瞬間目をあけると

そこはさびれた神社ではなくて全く同じ神社のはずなのに真新しくなっている。

それに、真夏だったはずなのに空気が冷たい。

ここは?なんで?

何かが違うとはっきり分かるのに何が違うのかはわからない。


ここは・・・・・・・・・・・・・・・・・?


「おや、こんなところにかわいらしいお嬢ちゃんがいるじゃぁないか?」
「おかしな格好をした女だな。」

絡みつくような視線と、呂律が回らないような話し方。
驚いて後ろを振り向くと赤ら顔の男が二人立っていた。

着物を着て、下駄をはいている?
なんだか、おかしな格好をした人たちだ。

「おいお嬢ちゃん。いったい何をしているんだ?こんなところで??」

ニヤニヤと笑う赤ら顔の男に背筋がぞっとする。

私は無言でその横を通り過ぎようとした。

「イタッ!」

私の腕は力任せにつかまれ酔った男の息が顔にかかった。

「なんだぁ。こっちはあんたに話をしているんだ。無視するのかい??」

そういって腕を更に強く掴み上げられた。

「離して!!」

嫌だ。怖い。

これって絶対危ない状況だ。

必死に手を振り払おうと思っても全然離してくれない。

「何するんですか!人を呼びますよ!離して!」

「威勢のいい姉ちゃんだな。だがなこんなところに人なんか来やしねぇよ!」

「嫌!離して!!!」

私の体に酔った男たちの手が伸びる。

嫌だ。怖い。だれか助けて。

「いやぁー!!」




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