「なんかさぁ〜。いい出会いないよね」 日曜日の午後。小学校からの友達の高谷里香がアイスティーの氷をストローで突付きながらぼやく。 「そう?里香ちゃんはOLだし都内勤務なんだから出会いなんて沢山あるんじゃないの?私なんかほとんどないよ〜。なんなら職場の人紹介しようか?」
「え〜。ないない。明ちゃんは最近浮いた話ないの??高校の時から聞かないよね」
暁人さんのことは親・友達の誰にも言っていない。それに、当時精神的に不安定なところがあった私は、あの出来事からまともな恋愛感情なんか持つことが出来なくなっていた。だから私の恋愛話を聞いたことがあるはずがない。
「そうだね〜。恋愛は色々面倒だし自分の時間が欲しいしいいや〜」
曖昧な笑みでごまかし口をつけたコーヒーは現在の心境そのもののように冷めて苦かった。
「そういえばさ〜。最近携帯の迷惑メール多いんだよね。明ちゃんって機械系強いよね?ちょとどうにか出来るかな?」
「携帯にフィルター機能あるんだからそれで拒否したら?」
「そうなんだけど・・・」と呟き携帯を取り出した里香から携帯を受け取りメール画面を開く。
受信メール126通
「凄いねこれ。一日でこんなにくんの?ってか占いサイトとか懸賞サイトに登録したりした?」 受信履歴の最初の方をチェックしドメイン指定と偽装アドレス拒否などの設定をして携帯を返した。もう26なんだから、これくらいは出来ないでどうすんだよ・・・なんて内心で思ったことは内緒だ。 (そういえば私の携帯も最近、迷惑メール多いなぁ・・・まぁクリスマス近いから余計そうなんだろうけど・・・)
出会いなんてなくてもいい。出会い系なんかろくなことがあるはずがない。恋愛もどうでもいい。幸せになる権利はとうの昔に捨てたんだ・・・
「明ちゃん?なんか暗い顔だけど・・大丈夫?」 「え?あっ。うん・・・大丈夫だよ。この後カラオケでも行こうか?」 「そうだね!」
夜も更け里香と別れ帰宅しそのままベットに沈んだ。
またいつものように、今日もあの夢を私は見る。
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