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作品名:妖怪屋敷 作者:御等野亜紀

第18回   提灯おばけ
美穂です。お元気ですか
今日はちょっと遠出をしてまいりました

とある墓場にお化けがでるというので
確認に来たんだが
昼間見たそれは見事な張りぼてだった
「張りぼてよね」
「だなぁ」とかずみも合いずちをうつ
テスト勉強に嫌気をさしたかずみが
ついてきたのだが
ものの見事にはずれを引いたか
呼び主にこれがお化けの正体なら意味ないです
とだけ言って帰ろうとすると
よるまで待ってや本当にでるで
夜までまってもこれが動くだけでしょう
といってかえろうとするがひきとめられる
私とかずみは仕方なく夜を待つことにした

夜を待つこと半日黒装束に身をまとった主に
呆れながら動かすとこをみてみる
夜になれば迫力満点確かによくできたはりぼてだが
どんなもんでっしゃろというご主人に
私たちはできのいい張りぼてをさがしてるわけではないしと
はなしていると
「美穂さんあれ」
主がここにいるのに張りぼてが動いている
さっきと動きが全然違う
糸があらぬ方向からひっぱられてる
かずみが走り出す
あわてて私も追いかけると
かずみジャンプさすが猫又飛躍力が違う
それの前で
「簡単には通してやらないぜ」
それは提灯だった紙で貼り付けられ
中央にろうそくがたつ提灯
だがぶぁ火を噴いた
下手すると全身火傷だが防御幕は間に合ったはず
「美穂さんサンキュー」
「提灯さん私たちは貴方を倒しに来たわけではありません」
「存在の確認とネットワークの勧誘、及び危険度の確認
に参りました」
「今の火吹きだけで充分脅威だぜ。他にもなにかあるのか?」
そういうと提灯はべろーんと長い舌をだしかずみに巻きつくと
でかい口を開け飲み込もうとする提灯に入ろうとする瞬間
かずみは舌を爪で切り裂く。慌ててかずみを離なす
「いったいじゃないか他に能力があるか聞いたから
みせただけだわい飲み込むつもりはなかったわい」
「うっかりでも飲み込まれたらたまらないんだよ」
「美穂さんこいつ最低でも3人飲み込んでる」
美穂問う「釈明ありますか」
「3人ともハンターや一人は恋しくて恋しくて仕方なかった」
「2人は人に危害を加える気は無いと言っているのに
殺しにかかった仕方なく飲み込んだわしの体は無限異次元じゃ」
「中にいる人と会話は可能?」「いや無理じゃ少なくともわしは」
「一度入ったら出る方法がないと思う。すくなくともわしは知らん」
「わしの攻撃の力はこの2つだけじゃ。勘弁してくれ見逃してくれ。」
「今の能力と話を聞く限り見逃すことはできないかと思います」
「そんなぁわしはここで死ぬのかぁ」
「殺すとはいっていませんネットワークに所属してもらい
人間とともにくらす方法をみつけてもらいます」
「そんなぁ人を脅すのが唯一の楽しみじゃにそれもできんか」
「それも噂になりすぎるとちょっと困りますね」
しょぼくれる提灯
「あ!」とかずみが手をうつ「Z区のお化け屋敷どだろ」
「しまいに本物だらけになるわよ」「駄目かな?」
「いえ聞いてみましょう」

次の日平日ということもあり遊園地は閑散としていた。
お化け屋敷に向かう、提灯を抱えて
真ん中から裂けて舌がベーローンとでるのと
小さな火吹き(最小限度レベル)を見てもらった
おばけやしきの店長は
これはこれはよくできていると感心するが
中身はどう見てもロウソク1本
仕組みはどうなってるのかね
「さぁ人から貰ったものでその人いわく本物だと…」
「世の中本物なんてないとおもうがなぁ」といいつつ
たたんだり広げたりしてみる
「おかしいなろうそくは立ったままじゃ」
「こりゃいよいよもってほんものかもしれん」
「もらっていいのか?
「毎月の月謝をこの通帳に支払ってくださればですけど」
「ただじゃないのかい?」
「さきほど本物と認めたじゃないですか」
「今はいりませんが人間に変化できるようになったら
買いたいものもあるとおもうのです。」
「1/4だなぁ人に変化できると証明できたらあげてやる」
「通帳もこっちであずかっとく」
「まぁそんなとこですね」
「本物だとびびんないでくださいね?」
「なんねんお化け屋敷やっとるとおもっとる
ほんものでおばけ屋敷ができるなら本望じゃ」
「それじゃよろしく」
「うむ、よろしく」
「ん、提灯しゃべるのか」
「しゃべるし意味もわかって聞いてますよ」
「そりゃいかん。提灯はしゃべっちゃいかん」
「本番は声抜きで脅してくれたまえ」
「了解じゃ」
こうしてお化け屋敷に奇妙な提灯がいると
噂になるのは遅くなかった
人はみたがりなもの
商売繁盛いうことなし

ちなみにかずみがつけた舌の傷は
美穂がちゃんとなおしました


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