題名<11人いる!>
ここは宇宙ステーション。 もうすぐ、数々の厳しい試練を乗り越えて、この最終試験に挑む宇宙飛行士幹部候 補生たちがやってくる。
「おっと、この部屋は重力あるのか」 「何だか久しぶりだな」 「…あれ、ちょっと待てよ。人数、増えてないか?」 「そうか?1,2,3,…,11。ああっ、11人いる!」 「一体、いつの間に増えたんだ?」 「さっきまで、確かに3人だったのに!」
全員、不合格。
(劇終)
題名<君は一人じゃない>
「大丈夫。君は一人じゃない」 先生は落ち込んで小さくなった私の両肩をつかみ、真っ直ぐに私の目を見て言った。
「先生…」
私も見つめ返す。
先生は、視線を私の後ろに移し、 「…代わりなら、いくらでもいるからね」 と言った。
私がゆっくり振り返ると、私と同じ顔をした人間が百人ほど、無表情に整列していた。
(劇終)
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