数年前のある日、俺はムラムラして仕方が無かった。そこで、性的なサービスを受けられるお店に行くことにしたんだ。 なんの迷いも無く店に入り受付へ。 受付「御予約の方でしょうか?」 俺「ちがいます。」 受付「それでは、この子でしたらすぐにご案内できますが?」 断る理由も無く承諾して、会計を済ませて待合室で待った。数分後に番号で呼ばれ、女の子の待つエレベーターへ。 女の子「はじめまして。マコトです。」 俺「はじめまして。よろしくね。」 そんな挨拶をしながら個室に案内してもらった。靴を脱ぎ、上着を脱いでベッドに腰掛けた。そして雑談。 俺「少し訛ってるよね。何処の人?」 マコト「青森だよ。」 なんて他愛も無い会話をしながら服を脱ぎサービスをうけた。ひと段落してまた雑談してた。彼女はさりげなく冷蔵庫の前に立って、何を飲みたいかを尋ねてきた。その後ろ姿を、鏡にうつる顔を、眼をみて、どうしても聞きたくなった。こんな事を聞いたら「嫌な客」だろう。なんて思ったけど、二度と会う事も無いだろうし聞いてみた。 俺「何でこの仕事はじめたの?」 何だか色々あったらしい。それは、営業トークかもしれない。同情誘ったのかもしれない。だけど、それを聞いたら何だか、色んな感情が込み上げてきて訳わかんなくなって、自分もその周りも、何もかもがちっぽけに感じた。あまりにも小さく弱く感じた。涙がでてきた。 俺「やべぇ。かっこわりぃなぁ。おれ!」 ベッドに横になりながら、少しふざけて見せた。なんだか照れくさかった。 マコト「何で泣いてるの?」 隣に横になった彼女をよく見ると、やっぱり泣いていた。少しの沈黙の後、連絡先を聞かれたけど、丁重にお断りした。女の子に連絡先を聞かれる何て奇跡だけど、そんな気分じゃ無かった。それからは時間になるまで雑談してた。エレベーターで見送ってもらい店を出た。少しだけむなしかった。
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