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作品名:遠くのあっくん 作者:YUTA

第2回   8月15日 その2
くやしいけど、ごろごろしてるだけなのは、ほんとだった。
ずっと実家には帰ってなかったし、
昔の友達は、方々に散っていて、遊べる人もいない。

はあ。

空は、まぶしいな。

私も、空にはばたくように、
自由に飛び回っていられたら。

何となく高校へ行って、
何となく専門学校を選んで。

そのときどきは、楽しいこともあったと思う。
端から見れば、幸せな人間なんだろうと。


それでも、この「なにか足りない」感覚は
ずっと残っている。



今日は、母さんも父さんも、帰ってこない。
二人でドライブにでかけて、小さな宿で一晩泊まって帰ってくるそうだ。
ひさびさに、出かけるということに、母さんははしゃいでいた。
父さんは楽しいのかどうかわからないけど、
まあ、はしゃぐ母をみて、悪い気はしないだろう。
けんかしたり、我慢したり、いやなこともありながらも、
つかず離れず、なんだかんだで夫婦をやってきた二人だった。

親を見ていると、少しだけ、胸がちくっとすることがある。
わかりやすく言えば、劣等感、ということになる。

二人で連れ添って生きる、ということが、
私には、うまくできたことがなかった。


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