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作品名:明武谷村の女房たち 作者:じゅんしろう

最終回   24
トキとシゲとヨシの三人は、自分たち家のものが食べるために共同で耕作する、秋蒔き小麦の耕作地へと仲良く向かっていた。小春日和の陽の暖かさを楽しむように、のんびりと農道を歩いていた。これが、今年最後の野良仕事である。毎年のことだが、三人で無駄話を喋りながらの作業は楽しかった。特に今年は、刺激的で面白い話題が豊富である。弁当やお茶やお菓子もたっぷりと用意してある、一日、飽きることはないだろう。
三人は、並吉と好子の結婚式にはでない。その媒酌人の新村長である村井大助は、トキたちの活躍は知らない。そして、トキたちもそれを口外することはないだろう、八百年の永い反目の歴史に、静かに幕を降ろすために。

                            完

 あとがききにかえて
 
 大地を相手に生活を営む農家の女房たちは、たくましくしたたかである。
 到底旦那たちのかなう相手ではない。かかあ天下とはよくいったものであるが、それが家の中を丸く収めていく人間の知恵ではないだろうか。この小説で、そのようなところを描きたいと思いました。


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