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作品名: 作者:銀河

第4回   夏だ!!海だ!!

桜ヶ丘に夏が来た。
高校も夏休みに突入した!!
先輩の言っていたキャンプは延期になってしまった…噂では彼女が出来たとか。
木々が青々と茂り、そして、蝉時雨がすごい。
今日は、水泳日和だ!!しかし、部活は…休みだ。
久しぶりの休みだというのに、俺は行く当ても無く、水泳バックを持って、家を出ようとしたときだった…
「高志、どこ行くの?」
「お?何だ、桜か、市民プールに行ってくる」
「市民プール?私もいこうかな〜」
「え?お前も来るのか?」
「だめ?」
彼女の瞳を見ると、NOとは言えなかった…。


「すごい人ね〜」
市民プールは、すごい人で、ごった返していた。
「今日は、プールやめるか…どこか、違う場所にでも行くか?」
「そうね〜じゃ〜いつも部活に行っているという、海水浴場にでも行かない?」
彼女の瞳が、恋しく俺を見つめる。思わず、胸が『きゅん』となる…
「そんなところ行ってどうするんだよ」
「いいじゃない、ね?海に行こう?」
今は、まだ昼前の10時。これから、バスに乗って、列車に乗ったら…
「着くのは、1時になるけれど、いいか?」
「うん、いいよ」
彼女は、明るく言った。そして、俺たちは、バス停へと、向かった。




バスは、駅前に降ろされ、ここから、思いっきり、田舎の町へ行く列車に乗る。
一両編成で、オレンジ色ボディーのキハに乗る。
ここからは、完璧にローカルだ。
しかし、ここの景勝は有名で、この辺の人なら、この列車からの風景の評価は高い。
俺は、そうも思わないが…。
「この列車の風景は、本当に綺麗らしいぞ」
「言われなくてもわかるわ…この風景は、大切にしていかなくちゃ…」
切なそうに、遠くの家、山、田んぼを見つめる。
「そう…そうかもな」
俺は、今思った。そうか、彼女を入れれば…いい景色になるんだ…。
やっと、わかったような気がした…この風景の意味が…。

「あれがいつも合宿に使っている海さ」
俺は、窓から身を乗り出し、指をさした。
「あれがそうなのね。でも…誰もいないわね〜シーズンなのに…」
「だってそりゃ〜町外れのほうだし、人がたくさんいる海岸はもっと町よりだぜ」
「そうなの」
「そっちの方にでも行くか?それなら、もう一駅行くけど…」
「ううん…ここでいいわ」


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