「えっと、叶 潤一(かのう じゅんいち)です。趣味は・・・特にありません。あ、でもサッカーは少しやってました。将来の夢は・・・まだ決めてません。・・・・・・よろしくおねがいします」
パチパチパチ
今、全然おもしろくない自己紹介をしていた彼がこの物語の主人公だ
「はい。じゃぁ、次」
彼は今、高校での入学式を終え、新しいクラスでまず初めに絶対やる行事を終えたところだ
自己紹介を終えると、すぐさま教室の端の後ろから2個目の席に座った彼はクラスの中心になるような男ではない。だからと言って、もっとも下のランクに値し、女子から嫌われ、いじめの対象になるような男でもない。
父親は2流の会社に勤めているサラリーマンで母親は専業主婦。 妹は2コ下の中学2年生。女性との交際歴は中2の時に4カ月付き合った一人だけ。 自己紹介でも言っていたが、趣味はないし、夢もない。小1からサッカーをやっていたが、自分には合わないと思い、中3の時に受験を理由にやめた。 身長は169cmで体重は48kg。運動神経は普通で頭も普通。この成明高校も偏差値59で、中の上くらい。 日本で一番普通の高校生決める大会があったらベスト8ぐらいまでいけるんじゃないだろうか。 さすがに主人公としての要素が足りなすぎる彼だが、顔立ちはよく、点数をつけるとしたら91点・・・・高得点だ。
そして、今自己紹介をしている、出席番号6の彼こそが「叶 潤一」の人生を大きく変えることになる
そんなことを知るはずもなく、先ほど配られた入学のしおりを読んでいる彼に自己紹介を終えた6番が話しかけるところから物語をはじめるとしよう
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