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幸せの尺度
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第1回
第1話 冴えないサラリーマンの場合
僕は冴えないサラリーマンだ。 自分で言うのも情けないが、事実だから仕方がない。 もうすぐ30歳になる、既婚者だ。2歳になる娘と同い年の妻がいる。 収入は手取りで20万程度。2DKの賃貸アパートだが会社が借上げ、賃料は実質会社負担だから手取りがこのくらいでも十分やっていける。お風呂が追い炊きができない点を除けばこれといった不満はない。
仕事内容は大きな括りで言えばサービス業。週休2日制だけど、職業柄日曜や祝日は休めない。基本的に平日が休みだ。
僕の生活は基本的に反復運動だ。朝起きて、妻が作った朝食を食べる。妻は朝何時に起きているかは知らないが、いつも僕が起きるときには、朝食を準備して、僕を迎えてくれる。はっきりいって、僕のような男には非常に良くできた妻だと思う。 妻が用意してくれた朝食を朝のニュースを見ながら、食べる。朝のニュースでは政治、経済、スポーツから芸能まで、主人公が変わるだけで基本的にあまり変わらないようなニュースが続く。殺人事件や汚職事件。政権支持率がどうのとか、大物俳優の不倫とか。ほとんどの出来事は僕には関係ない。でもなぜか毎日見るのが日課になっている。 テレビの向こうにはいつもと変わらぬ笑顔でこちらに微笑みかけながらニュースの原稿を読む女子アナウンサーがいる。実際はあったこともないのに、もはや毎日のように顔を合わす知人のようだ。
ニュースの内容は、可愛い女子アナウンサーには似合わない、残酷なニュースだ。
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