俺の家は特に有名でもない蕎麦屋だ、おやじが脱サラして始めたいわば趣味が高じて事業に結びついたものらしい、でもお客は昼時ともなれば座席が埋まるほどの盛況ぶりだ、どうだ!参ったか!別に店の話をする場合じゃなかった、そう、俺、村下洋介 大学2年になったばかりの19歳 今、ツーリング先より帰ってきて俺の愛機CB1300 SBをメンテ中。
「兄貴!おっかえりー!」 「兄さん、今帰りですか?」
二人の制服姿の女子高生に、といってもこの二人は俺の双子の妹、兄貴と呼ぶのは次女の舞、兄さんと呼ぶのは長女の奏、二人とも今学校から帰ってきて俺を見つけたようだ。 「おう!まい、かな、お帰り、居間にお土産置いてあるから、今回はどこにでも有る温泉饅頭です」
いつもだとその土地の名物とかをチョイスしてお土産で買ってくるのだが今回は近場の箱根だったので温泉饅頭になってしまった。
「兄貴先に食べるよ〜、」 「あっこら舞!先に着替えてお父さんもきてから、」
なんかいつもの会話だなーと思う、お土産、特に食い物系を買ってくるとまず舞が先に手を出す、それをとりあえず阻止するのが奏の役目なのだ。 バイクのメンテ一段落したので居間に向かった、そういえば帰ってきたときより一度も母親に会っていない。
「そういえば本日の母さんは?仕事?」
早々に着替えを終えた舞が温泉饅頭を口にほうばりモゴモゴ言っている。
あきれた顔で双子の姉の奏が目をつぶりながら一言
「口に物を入れてしゃべらない!女の子でしょ」 「はい、兄さんお茶」
お茶を飲みながら思う、なんでお茶と饅頭はこんなにもベストマッチングなんだろう?ん、ん!おれはジジイいか!縁側でお茶をすするジジイか!なんて一人で突っ込んでぼけてみたものの面白くもなんともない。
「ところで母さん仕事?」
「2,3日居ないみたいだよ」
恥ずかしいのであまり人には言いたくはないのだが実は俺らの母親は女優なのだ、でも一度芸能界を引退している、なぜなら25歳のとき俺がお腹にできてしまい親父との間柄もばれそれを期に引退したそうだ、後に奏と舞が生まれて何年かは親父と蕎麦屋を切り盛りしていたのだが俺らが手がかからないようになり始めたころから復帰したようだ、画面の母もいつもの母も本当に44歳の子持ちに見えないところが化け物じみている。それの子供、目の前の妹、母の遺伝子を二人ともしっかり受け継いでいる性格は別にして容姿はすばらしいものをお持ちのようだ、普段はミツアミにしているがミツアミを梳くとこれがまた兄の目から見てもすんげ〜可愛い。ミツアミ時もま〜そこそこかな。なにがかなしいかと俺ときたら親父の遺伝子の大勝利!・・・・将来はげ る・・・・・
「今回は北海道で撮影だそうだ」
いつの間にか親父も居間にきていた、親父はげたな〜、なんて俺も危うい!なんと言っても親父の遺伝子が俺の中で大きな大漁旗を大きく振っているのだから、俺の髪の毛あと幾日もつのか。
「はい、お父さんお茶」
タイミングよく奏がお茶を出す、その横で舞は饅頭をほお張りながらオートバイ雑誌を見ている。
「ねー、兄貴」 「ん、なんだ」 「相談があるんだけど」
横で聞いていた奏もおもむろに
「あっあたしも、多分舞と同じ相談だと思う」
何の相談だ?あまり奏、舞から相談なんて受けたことがないのに二人の真剣な顔に俺はまじめに聞いてやることにした。
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