当たり前だろ?自分だからこそ言うんだ。
ミカドはカルカナを愛してるんだろうが。 なら何でカルカナを迎えに行かないんだよ!
『僕には…罪がある。その罪を昔許してくれた人がいた。』
罪ってなんだよ。 許してくれた人がいるなら、その罪はもうないんじゃないのかよ!
『…その人は受け入れただけだ。許されたのは僕が人型になるということのみ。昔は人型ではなかったんだ。』
じゃぁその人にもう一度会えば・・・!
『あの人はもう会うことはない。』
ピシャリと言葉で閉ざされてしまった。 不思議なものだ。俺は俺と話しをしている。 それがミカドのいう真実なのだ。
ミカドは少し怠そうに小さくため息をついた。
『まぁ光を敵に回すことはないよ。君には光も混じっている。君は光と闇のハーフなんだ。』
意味が解らない。俺が光と闇のハーフ? だけど、キマイラは俺を殺そうとした。 …カルカナも。
ハーフならば、光のアイツ等から敵視される必要はないのではないか?
『さて・・・そろそろ君はそっちの世界に戻るんだ。それじゃぁまた。』
俺が声を掛ける間もなく、プツンとテレビが消えたかのように視界は閉ざされた。
まるで御伽話の様だ。 本当の話とは思えない。だってそうじゃないか。 光の者であるカルカナや、キマイラは翼を持っている。 人々が描いた天使の様に。
・・・本当は夢の中にいて、俺が今まで体験した事は俺の単なる想像でしかないとするならば。 俺はどれだけ眠り続けているんだろう。
翼の生えた光りの者。漆黒の闇に囚われ続ける者。
…一体俺は何なんだよ。
その問いに誰も答える者はいなかった。
・・・そして俺は深く眠りについた。
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