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作品名:カルカナコトバ。 作者:

第14回   14


当たり前だろ?自分だからこそ言うんだ。

ミカドはカルカナを愛してるんだろうが。
なら何でカルカナを迎えに行かないんだよ!


『僕には…罪がある。その罪を昔許してくれた人がいた。』


罪ってなんだよ。
許してくれた人がいるなら、その罪はもうないんじゃないのかよ!


『…その人は受け入れただけだ。許されたのは僕が人型になるということのみ。昔は人型ではなかったんだ。』


じゃぁその人にもう一度会えば・・・!


『あの人はもう会うことはない。』


ピシャリと言葉で閉ざされてしまった。
不思議なものだ。俺は俺と話しをしている。
それがミカドのいう真実なのだ。


ミカドは少し怠そうに小さくため息をついた。


『まぁ光を敵に回すことはないよ。君には光も混じっている。君は光と闇のハーフなんだ。』


意味が解らない。俺が光と闇のハーフ?
だけど、キマイラは俺を殺そうとした。
…カルカナも。

ハーフならば、光のアイツ等から敵視される必要はないのではないか?


『さて・・・そろそろ君はそっちの世界に戻るんだ。それじゃぁまた。』


俺が声を掛ける間もなく、プツンとテレビが消えたかのように視界は閉ざされた。

まるで御伽話の様だ。
本当の話とは思えない。だってそうじゃないか。
光の者であるカルカナや、キマイラは翼を持っている。
人々が描いた天使の様に。

・・・本当は夢の中にいて、俺が今まで体験した事は俺の単なる想像でしかないとするならば。
俺はどれだけ眠り続けているんだろう。

翼の生えた光りの者。漆黒の闇に囚われ続ける者。


…一体俺は何なんだよ。


その問いに誰も答える者はいなかった。

・・・そして俺は深く眠りについた。




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