ゴルゴ13
着手金300万、成功報酬3000万でどうだ。いいだろう。生け捕りにできなくても爪か垢か肉体の一部で100万出そう。わかった。着手金受け取りの時間と場所を指定してくれ、着手金と目標の情報を持ってゆく。明日朝10時帝国ホテルロビー。
明日10時、帝国ホテル。ああ。使いはそのホテルの封筒にゴルゴと書いている。それとタバコはピ−スを吸う。ゴルゴとは光栄だな、そちらは。ゴンドラ。今後の連絡は同封の携帯を使ってくれ。使い方は乱数を解読してもらおう。それは念の入った、では明日。
坂本は人を信じやすい。世界的殺し屋と電話で交渉したのだ。顔を合わさない方が双方のためだ。人を信じなければ事は進まない。使いを頼んだ大学の友人からメールがきた。ピース3本の受取が添付されていた。これとトモカサ、大平の情報突き合わせるとかなり正確なことがわかってこよう。容疑者の移送には小型機を使おう。沖縄で給油しても5時間で羽田に着く。日帰りもできないことはない。
ゴルゴから決済の連絡があった。追加注文家族のヴィデオ撮影、1本。了解。坂本は白井貴子を伴って小型機で日本に飛ぶ。闇の権力者にあったことがあるのは彼女だけだ。築地の小さな店で握り寿司を食うことにした。おう、ゴルゴご苦労さん、決済、ピース3箱。ゴンドラ受け取りだ。じゃあ、乾杯。白井貴子に言わせると闇の権力者は独特の雰囲気があるらしい。
忘れないうちにヴィデオ代。サービスする、写真はおまけだ。そいつは有難い。捕虜の顔が曇る。家族の写真に間違いなさそうだ。追加注文、このリスト10人、一人3箱でどうだ。ゴルゴが元締で下請けに出してもいいぞ。御請けします。じゃあ前渡金１箱。確かに。全員生け捕りにだとボーナス1kg。なるほど、受取は31kgと書くのかな。それでいい。あ、そうそう、プロに失礼かも知れないが元CIAなんてのは情報持ってんじゃないか。口を割らすのは金が有効だ。必要額言ってくれ。その時は。
さあ食おう、今日はゴルゴの慰労と客人の歓迎会だ。握りは築地だ。どうだ。いける。美味しい。カナンお前も食え、ゲストだ。俺のことか。そうだ。この魚は料理されていない。これが世界最高の料理というものだ。死にはしない、同じものを食っている。そうだな、うん、美味い、この米の味は懐かしい。お口に合うかな。子供の頃食った味だ、どこかは思い出せない。まあ、美味ければいい。
日本の料理は安心して食える。苦労も多いんだ。まあな。しっかり食ってくれ、俺が払うから。それに美味い。海外で困るのが食事だ、日本食が食いたくなる。私もニューヨークでは日本食を探しましたわ。こちらは。コロンビア大学の学生、博士課程だから頭はいい。容姿も。
必殺仕事人は寂しい食事をしているのだろう、ビール一杯ですぐ顔が紅くなる。そろそろ、ご馳走様。荷物忘れるな。ああ4キロだから重い、じゃあ、ここで。またよろしくな。こちらこそ。
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