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作品名:闇の権力者たちの日本近代史 作者:佐々木 三郎

第15回   遺伝子鑑定
遺伝子鑑定

 坂本は闇の黒幕の肉体の一部を採取するようトモカサ制作者柴崎啓太に依頼する。連絡はメールで行う。乱数表を瞬時で翻訳できる。アルプスで発見された5000年前のアイスマンの子孫が特定できる時代だ。問題は鑑定先だ。坂本にはコネがない。田中から千葉県にある放射線医学研究所が提案されている。ここでは遺伝子細胞情報の研究も行われているようだ。この研究所の資産452億、当期利益1.5億、政府出資335億。日本国家の凄さを感じる。
 この放医研は科学技術庁の国立研究所であったが今は行政独立法人になっている。と言って正面から鑑定を依頼するわけにはゆくまい。田中の学生時代の同期が所長をしているらしい。空手部の三羽烏と呼ばれたそうだ。

 人の遺伝子は30万とも言われたが解読してみると3万ほどとか。遺伝子TAGCの4文字で書かれているから単語の区切りが判読するのに難しい。ともかく単語数3万であることは解った。単語の意味が解ったのはのは数パーセント、単語の組合せつまり文法が解るのはまだまだ先の事のようだ。
 で鑑定方法はというと、単純だ。人類の遺伝子単語及びその配列を比較してゆくだけだ。1番から3万番までの単語の配列は人類皆同じとか。単語もほとんど同じらしい。ちなみにネアンデルタール人と現代人を比較すると単語の違いは10箇所以下、万一より多いが、万に三つ位だ。チンパンジーとでは3%、97%は同じ。哺乳類同士だからそんなものらしい。30万年前の現代人はアフリカから北に向かったコーカサスロイド、東に向かったモンゴロイド、そしてアフリカに留まったネグロイドに分類されるが遺伝子の違いは万に一つか二つとか。
 この違いが人種に違いを決定しているというから凄い。先住民のジュワ原人、北京原人たちは死滅してしまったのか、それらの遺伝子は現代人に遺伝されていないのか、坂本の興味は尽きない。しかし、今は闇の権力者特定、その手法精度が問題。


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