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作品名:女の敵、強姦魔 作者:佐々木 三郎

第7回   土地買収見せ金
土地買収見せ金

浪漫建設では島崎社長が待っていた。「首尾上々ですか」「まあ予定通りに運びましたが社長、金庫の金がやばい」「全部古札に替えましたが」「たいへんでしたでしょう」「それがですね、灯台下暗しでした」「というと」「マンション業者が無条件で替えてくれました」「なるほど」「先生あっしらにもわかるように」「土地を買収するときは現ナマを積み上げるのだ。現金の魔力に魅せられて売る気になる。銀行の新札の方が効果がある」「やはり処女が」「これは見せ金だから永遠に処女だ」「使えない金はメモ用紙にもならないとさるお方が言われましたが」「嫌味を言うな、仁吉。まあ5年は処女だろう」
島崎社長が笑いながら「では祝杯といきますか」と立ち上がる。「社長税務署に踏み込まれたら」「それは気が付きませんでした」「先生そんなに気を使ったら頭はげますよ」「酷税は虎よりも怖い。明日どこかに移せ」「その業者50億までぐらいならと言ってくれましたよ」「それは何より安心しました。社長に感謝しろ。私も 両替商 スクラップ業者 パチンコなど考えましたが」
二人は島崎社長に頭を下げたがわかっていないようだ。「税務署はそんなに怖いんですかい」「おめえら勉強が足りないな。警察はムショですむが税務署は骨までしゃぶってくるぞ」「そうなんで」「信ちゃん、忠ちゃんマルサの女を御勉強しなさい」「先生質問です、何を怖がっておられるんでしょうか」「何を、相手は四菱財閥だぞ。行政書士風情に舐められて黙っているか」「へえ」「相手は政府も動かす力を持っている。馬鹿に付ける薬はないか」「まあまあ先生、私から言って利かせますから今日のところは」

冬薔薇には天龍組白虎組の両親分が待っていた。「これは親孝行のつもりで」「こ遣いくれるのか、信介」と天野龍太郎は涙ぐむ。「ありがとよ忠二」白川虎治郎も顔をほころばす。「親父5000万預かって貰いたいのですが」「おう、いいとも」「親っさんも」「ええとも忠二」「では乾杯といきますか」と島崎社長が音頭を取る。「こんな美味い酒は久振りだ」「まっこと」
ママが「いいことありました」と天野龍太郎の横に座ろうとしたが「今日の主賓は先生だ」と指名する。この辺の間合いが健は気に入っている。「そうかい、デカに土下座させた」「やくざより怖い先生で」「人聞き悪い、初で内気で純情で思ったことのとうに一つも口にできず女の手さえ握れない」「まあ私の手を握って」「これはやりたくなる手だな」「ママ先生は子づくりの名人、孕ました女が片手、お子様が両手半」「すごい、よし今日は店の奢り」

健は客紹介料1割の念を押す。ママが握り返して来た。「オールドパー持って来い」「どうしてですか」「いいから持って来い」「はいどうぞ」「股を開けるセリフだ。どぶす」「しどいわ」「このお爺ちゃん誰だ」「さあ」「知らない」「冬薔薇は顔だけで採用してるのかい。少しはお勉強しなさい」「いじわるね」「この人がかの有名なオールドパー。どう有名かと訊くだけ無駄だから言っちゃおう。今を去ること600年スコットランド王国で100歳をとっくに過ぎた爺ちゃんが強姦罪で逮捕された。王様は直々お調べになられた。強姦の事実明白なれば懲役20年に処すところなれど、その快挙により、もとい、むち打ち120回を申し渡す。ただし、その年齢115分を免除する。これでよいか。家来はしぶしぶ同意する。あの快挙に褒美をとらせたいが。一国の王たるものが国民に示しがつかんでしょうが、やるならポケットマネーでと大臣は席を立ったという話」「その爺さんがオールドパーですか」
ややあって拍手。「このお方は今日でも世界中で愛されておられる」「勉強になるわ」「でも学校の先生じゃないでしょ」「えらい先生だ」健はボトルの栓を開ける。「ヴァージンの匂いだ。おいグラス」「どうぞ」「グラスと言われたらお冷だ」「はあい」「のろまトンカチ。いい味だ。親分にもお裾分け」「いだだきやす」「社長」「どうも」「親分」「頂戴します」「国定」「恐れ入りやす」「仁吉」「ありがとうございます」「ママ」「いただきます」

ホステスたちがもじもじする。「あのう、私たちもいただいてもよろしいでしょうか」「駄目、頭の悪い子には遣らない」「いじわる」「もう一度だけチャンスを与える。強姦罪はチンチンを入れた時か射精した時か」「出した時でないとレイプの意味ないじゃん」「入れた時よ、痛いのは変わらないわ」「他には、いないか。二人についでやれ」「先生正解は」「日本では入れた時既遂、一部全部を問わない。欧米では出した時とするところが多い」「てえと射精、妊娠は関係ないということですかい」「そうだ。万一(まずないだろうが)お前らブスもレイプされたら吉良か国本に相談しろ」

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