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作品名:女の敵、強姦魔 作者:佐々木 三郎

第6回   鬼頭大介捕獲
鬼頭大介捕獲

中野良子は職場でみつめられている自分を感じた。周りはいつものように働いている。ある目が全身を隈なく看てゆく気がして鳥肌が立つ。その日の勤務は倍以上長く感じられた。退社時になると1年先輩社員木村寛子が耳元でささやいた。「あなた変わったことなかった」それはあなた強姦されなかったと聞こえた。良子は身震いした。「話があるの。食事しない」と木村寛子に誘われた。嫌とは言わせない迫力がある。
家に電話しますと電話ボックスから駒込直美に電話する。「とにかく話をよく聴き観察しなさい。質問にはできるだけ答えないように」と直美は指示した。香川健は考えながら言った。「今夜危ないな。戦闘態勢をとれ。吉良を呼べ」香川は柴田瞳に連絡を取る。吉良と国本が駆けつけてきた。

会議室にいると「腹ごしらえだ」と握り寿司の出前を取る。「いよいよですか」「ようだな」「中野良美が女とレストランに入りましたが」「その女よ、手引きしたのは」「Xの手引きを木村寛子が、ですか」「戸籍謄本からXは鬼頭大介に間違いあるまい」「するてえと、中野良子を犯したのが鬼頭大介と下田康介、斉藤慶子をやったのが下田康介ということですか」「そういうことになるな」「今夜も同じ場所で。下田康介もやってきますかい」「国本どっちにかける。俺は来るに1万。吉良お前は」「あっしは来ないに5千」「あっしも」「僕も来ないに1万」と島崎。「来るに5千」「私も」「丁半出そろいました。入ります。駒込集金しろ」直美は吉良、国本、島崎から掛け金を集めながら健に惚れ直した。松崎敬子もくすりと笑う。「先生ひでえや。丁半開いてねえのに」「ゾロ目の丁に決まっている、債権は回収が難しい」「取れるうちに取っておけですね」と敬子。惚れるとは信じることである。
握り寿司が届くと直美と敬子がビールを注ぐ。「さあ社長」「さあ国本さん、吉良さん」女をここまで信じ込ませる男か。「木村寛子も強姦されたのでしょうか」「そうだ」「今は手引きを。ということは秘書課のほとんどの人が」「それを探らすために中野さんを出社させたのですね」「女の方が感がいいな。それもあるが吉良が言った、犯人は犯行現場に再び現れる、だ」

島崎、国本、吉良は香川健が宇宙人に見えた。「犯行時刻もやはり8時頃ですかい」「そうだな。おい、スタッフも腹ごしらえさせておけ。それからカメラマンたちにも」携帯電話が普及していない時代であった。小型のトランシーバーで中継される。「木村寛子はどんな話を」「自分の体験、秘書課の被害あたりを」「時間調整ですか」「おう、仁吉すけこまし。すけこましの腕のいいのを見繕っておけ」「情報収集ですか」「あたぼうよ。鬼頭大介が四菱自動車のの営業マンとはな、鬼頭善之助は四菱重工の専務それに下田剛三が四菱商事とくらあな」「亀頭一家ですか」(爆笑)「善之助の調査がいそがれますな」「そうです、社長。第2金鉱です」
電話が鳴る。「そうか、二人が店を出たらまたお連絡入れろ。めえらも飯食っておけ」と国本が静かに言った。「二人は話し込んでいるそうです」「あと半時間位かな」トランシーバーは電池節約、傍聴のおそれから極力使用を抑えているのだ。「今日の撮影は中野良子には辛かろうが挿入もしくは接触までは我慢してもらわなければならない」撮影が終わったら取り押さえる手はずだ。犯人連行場所は解体前のビルだ。手配に抜かりはないか。「駒込、松崎。中野良子を頼むぞ」二人は涙ぐむ。「同情している場合か、これは戦だぞ、気合を入れろ」「はい」

二人がレストランを出たとの連絡が言った。「よし行くか。社長あとを頼みます」と5人が立ち上がった。ここがベース基地だ。電車には別れて乗る。通勤ラッシュは過ぎていて座ることができた。香川健は既に慰謝料の回収方法を思案していた。東京の人間は無表情だ。疲れた顔をしている。東京砂漠とはよく言ったものだ。直美が近づいてきて「次降ります」と言った。考え出すと前後を見失う健の性格を思ってであろう。
電車を降りると直美と敬子に挟まれて歩く。現場には柴田瞳以下カラマンが待機していた。中野良子が近づいてくる。男が立塞がる。後ろから下田康介が羽交い絞めにする。二人は手慣れた手つきで良子を木陰に引き擦り込む。「初めてじゃないのだから大人しくしな」男は良子のパンティーを引き下げると指を舐めて性器を撫でる。自分の巨根にも唾をつけて差し込んだ。3台のカメラが追っている。フラッシュライトが焚かれる。証拠写真が撮影された。

吉良が男の髪を引っ張る。なおもシャッターが切られた。柴田瞳の「カット」で男は突き倒される。直美と敬子が良子を抱きかかえる。
衣服の乱れを直して良子は自宅に走る。「お母さん」「お前」良子は母の胸に泣き崩れる。直美と敬子が玄関を締めて「すぐ洗浄を」と言った。良子はヒデで洗浄する。「この前と同じだ」母親が言った。「犯人は抑えました。ご覧になりますか」良子が出てきた。「お母さん知っていたの」「一人娘のお前のことだよ」と抱きしめる。「お母さん、私許さない」「さあお母さんも参りましょう」 

解体前のビルは墓場のようであった。外部に灯が漏れないようにブラインドが下ろされる。男は鬼頭大介であった。運転免許証と社員証を確認した。ふたりの男は縛り上げられていた。「中野さん、よく看るのよ。奴らは人間じゃない。女の敵、強姦魔」ふたりのパンツが下ろされた。「スタート」柴田瞳の号令でビデオカメラが動き出す。ソープ嬢が二人の男根を撫で上げ口に含む。とくに大介の巨根は目を見張らせる。
射精させたら1万円との話に乗ったソープ嬢だが苦戦しているようだ。さすがはプロ、睾丸を舐めると勢いよく射精した。勿論採取に手抜かりはない。健は1万円ずつ手渡しながら「君たち合格。これからもお願いするからね」と言った。「これで強姦の立証は完璧ね。これからが見物よ」「あんなに大きいのは見たことがない」「お母さん」「ごめんよ、痛かったろうね。でもよく洗えばどうってことないよ」「何人やった」「思い出せないくらい」「あとで書き出してもらうとして、強姦罪は何年かな」「3年以上の懲役です」「ご存知でしたか、女が苦にして自殺したら殺人罪か」「いえ殺人罪は適用されません」「そうだな、強姦の目的は何かな」「女の顔が歪むとと何ともいえぬ快感がわいてきますね」「君はベテランだね」「みんなやっています」「ソープ嬢は8000円らしいが」「素人の処女に限ります」

国本の子分が堪らず蹴りを入れる。香川は手を振って制す。「一番最初の女は」「丸ビルのOL」「いいのを狙うんだ」「プライドが高いからやっても誰にも言わねえや」「違いない。君はいくつだった」「浪人してたから19だったかなあ」「相手は」「何とかいったなあ」「歳は」「22歳だったと思う」「どうやって確認した」「社員証」「成程、いい女だった」「それは飛び切り上玉」「彼女は今」「勤めているさ」「身長は」「165位だ」「今でも」「雨の日なんかにたまに」「彼女を手なずけたのは」「手引きさせるためさ。今じゃ係長になってる」「ほう、どんなコネだい」「叔父の」と言いかけて流石に口を閉ざす。
香川健は自分の読みに自信をもった。「俺たちもあやかりたいから教えてくれよ」「あんたらには無理だ」「どうして」「どうしてと言われても、まあ家柄かな」「バレテも親がもみ消してくれる」「そんなとこ」吉良に代われと目で合図する。健も我慢できなくなったからだ。
吉良は凄みを見せる。「僕ちゃん俺たちにはもみ消しはできねえぜ」と言うなり顔面を強打する。「おい、洗いざらい喋るまで可愛がってやりな」「言います、言いますから」「そうかい、じっくり聞こうじゃないか」香川健は、後は任したと部屋をでる。
そして中野良子に言った。「死は一瞬ですが、死ぬかもしれないという恐怖感は何度でも味あわせることができます。ご希望は」「3度」「では観ていてください」鬼頭大介と下田康介はパンツを脱がされた観っともない恰好で立たされる。歳の順で鬼頭大介から始められる。

1度目 拳銃に1っ発だけ弾を容れ回転させる。それを頭に突き付ける。
撃鉄が引き起こされる。「坊や10数えな」「やめてください」
2度目「外れたな、もう一回やってみようか」「やめて、お願いです」
3度目「また外れか。座ってばかりでは身体に悪い、たっちしようか」
    氷柱の上に立たせる。首にロープを架ける。「滑らないようにね」
おまけ 下田康介にも「次は君の番だからね、灸しようか」と煙草の火を
    押し当てる。「熱い?氷で冷やすといい」と男根を氷漬けにする。

中野良子が必死につま先立ちする犯人を見て「やっと気が晴れました、有難うございました」と頭を下げる。母親も「なんとお礼申し上げていいやら」と涙ぐむ。「これもご縁でしょう。奴らの処分は任していただけませんか。警察に突き出してももみ消されるか、判決が下りてもまたやりかねませんよ」「それはもうお任せします」「そうですか。しばらく私の家に身を隠していた方がいい」
中野良子は駒込直美の家に泊まった経過を母親に話したようだ。「見知らずの私たちにこんなにして頂いて」「さあ、家に帰って支度してください。私も娘を持つ母親としてこんなことは許せません」と直美が親子を促す。「ではお言葉に甘えまして」と親子は帰宅する。

親子を直美と敬子に任せて香川健は浪漫建設に向かう。吉良と国本も同乗する。「いけねえ、カメラマンの謝礼忘れた」「駒込先生がなさったようですが」「挨拶もせずにとはゆくまい。引き返してくれ」健は柴田瞳に「監督お世話になりました。謝礼は改めて」というのを瞳は制して「いいのよ、やることがあるのでしょう。私たちも適当に引き上げるから」と答える。
健が車に戻ると「チン毛を焼いておくよう言いつけました」と吉良信介が言った。「それは面白い。俺の家族の警備強化してくれよな」「わかりやした。先生お疲れで」「ちょっとな」言うなり健は眠る。「このところ気の張り詰めだもんな」と国本忠二がつぶやく。
「まったく社長の言われるとおりで」「よせやい兄弟」「しかしですね、そうしないとこの先生が」「ちげえねえ。いや、そうですね専務」「なんか外国語しゃべってる感じだ」「んだ。確かにそんな気がしますね。我々は先生の指示通り動いてますが今後は企画立案して行かねばなりませんね、専務」「そ、それが問題ですね社長」「そうすないとですね、先生が御怒りに」「ちげえねえ」二人して笑った。
国本は「専務、奴らが犯した最初の女は島田博子でないでしょうか」と少し悲しげに話した。「考えられますね、社長」「そして下田剛三にも」「払下げられたか売りつけたか」「多分。先生はどうでもよいと言われるだろうが」

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