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作品名:女の敵、強姦魔 作者:佐々木 三郎

第38回   成人男女の結合  黄昏の国日出る国 
成人男女の結合

関本は燃えるような目でマリオンを見つめた。「俺は心だけでなく身体も欲しい」「私の身も心も捧げます。でも子ができたら」「お前に似て美人だろう」「男だったら」「俺に似なければ男前になる」「生んでいいのね」「勿論、さあ一緒にシャワーを浴びよう」関本はさっさと浴室に入る。そして「童は見たり 野中の薔薇」と歌っている。マリオンは躊躇ったがあとからつづく。「お前は何と美しい」「シューベルトのdie Nach夜ね」
息子が侵入するとマリオンは少し痛がった。「やめようか」「やめないで、そっと入って来て」「息子がいきりたっている」「もう少し待ってもっと奥まで入るの」「おい息子、行儀よくしろ」「貴男とこうして一体なると幸せと思うわ」「それは俺も同じだ。成人した男女が結合すると子ができるのは自然の摂理だ」「あら貴男泳ぎ出した」「お前は愛の泉だから泳ぎたくなるのだろう」関本は突撃を開始した。マリオンは関本の首に腕を巻き付ける。「娘が踊り出したわ」「タンゴか」「そうみたい」母親も腰を振って関本を持ち上げた。関本は堪らず発射して果てた。どれくらい眠ったろう。尿意を覚えて目を開けた。身体を離して驚く。息子は血にまみれていた。用を足して血を洗っているとマリオンが入って来た。「お前」「フフ初めてだったの」「光栄だな、綺麗な娘を産んでくれ」その日は何度も何度も求め合った。関本はマリオンをものにした満足感が湧いてくる。彼女の人柄頭の良さにも魅せられたが肉体の結合で完結すると思うのであった。

ジャンヌも滝本幸次をものにするぞと部屋を整えていた。今夜は長期戦が予想されるとテーブルに料理を並べる。ワインも3本冷やしてある。日本人はまずビールと言うから5本は冷やしておくか。彼が入ってきたら、やはりベージェね。それからビール、バスかなどとイメージトレーニングに余念がない。しかしあまり意味はなかった。滝本が部屋に入るなり二人は熱く口づけを交わすと風呂場に直行したのである。バスタブには入浴剤が蒔かれていて二人が動くたびに泡と香りが立ち込める。やや垂れ下がった乳房が滝本に触れると彼の息子が反応する。「待ってシャワーを浴びたら貴男のものになるわ」と言いながら性器で睾丸から男根をなぞってゆく。滝本の痙攣する様を楽しんでいるようだ。やがて勢いよく浴槽を飛び出すとどう私の身体とシャワーを浴びる。くびれた腰と大きな尻は見事で男の情欲をそそるには十分すぎる。
 ジャンはベッドに横たわり滝本を誘う。彼は亀頭を花びらに突っ込むと入退する。そのたび亀頭の土手がこきんこきんと花弁を開閉する。日本刀って硬いのねとジャンは思ったがこくんこくんとなった。それがこくりんとなると「アーン感じるやめて」と声を上げる。滝本は亀頭で花びらを丁寧になぞってゆく。花弁は露に濡れてぬるりとする。「いやあ、とろける、止めて」滝本が動きを止める。「止めないでもっと深く、お願い、なんでもする」とジャンは泣き声を上げる。亀頭の快感よりもジャンヌの降伏が滝本を喜ばせる。うつ伏せと手で指示する。「お願い、もっと入れて。入れてえ」花弁は愛液が溢れている。滝本は突撃を開始した。ジャンヌはのけぞりながら首を振る。亜麻色の髪の毛が滝本の顔を撫でる。滝本は馬乗りになり大いに満足した。ジャンは指を噛みながら泣き喚く。「おお絶景かな」女を支配することは天下を盗った気分になる。「許して、意地悪。奥まで突き立ててください」との喘ぎも耳に心地良い。石川五右衛門もかくありしか。その気のゆるみを突いてかジャンヌは尻を持ち上げ滝本に乗ったのである。両手で膝をつかみ両脚で尻を抑えた、変則十字固め。形勢逆転、ジャンヌは尻を前後左右に動かす。起き上がろうとする滝本の両手で押える。両足は足首をロックする。「つかまえたぞ、大人しくしろ」「乱暴はいけない」「ラマルセイーズ、日の丸を引き下ろせ、降伏しろ」滝本は反撃の機会をうかがう。両手を胸に回し左に返す。ジャンヌの手が滑り落ちた。すかさず組み伏せ羽交い絞めにする。膝で両脚を固めたから一本だ。「ママ助けて犯される」「よくいうよ、無条件降伏のみ」「降参する」「本当だな」「はい」となったが花芯は抵抗を続ける。亀頭を咥えこんで奥に引き込む。そして驚くべき力で締め上げる。滝本はたまらずのけぞりながら発射してしまった。ジャンヌが振り返ると滝本は崩れ落ちた。フフ勝ったわと思ったが不覚にも意識が遠のいていった。
明くる日二人が目覚めたのは昼過ぎであった。空腹と眠さに堪えながらワインでハムエッグを頬ばる。幸次はこの小さな身体で尽してくれたのだわ、と思うと愛しさが湧いてくる。再び微睡んだが黄昏とともにジャンヌは戦闘態勢に入る。「幸次お風呂に入って食事しましょ」とやさしく起こす。バスタブで幸次を抱きかかえると気持ちよさそうに眠る。子どもが生まれたらこんな感じかしら。この男を愛してよかったと思った

黄昏の国日出る国

ジャンヌとマリアンヌは戦果を語り合った。親の戦いには勝利したが娘は敗北したというのが結論であった。「日本刀って小さくても強いのね、しなやかにして鋭い切れ味ね」「そうなの」「関本は」「初めてだったから」「え、あなた処女だったの」「恥かしいわ」「そんなことない、私も彼に処女を与えるべきだった思うのよ」「でも彼が日本に帰ったら」「貴女もゆけばいいのよ」「子どもができたら」「日本で育てたらいい」「大丈夫かしら」「日本で子供を育てているドイツ人は幾らでもいるわ」ジャンヌの言葉には日本は東洋、ヨーロッパではないと思っているのでしょという意味が込められていた。「これデッサンだけどいつか本格的に取り組んでみたいの」「ドイツと日本、いや欧州と日本ということね」「これをコラムに掲載しようと思うの」「素晴らしい文だわ」「これをドイツでも掲載して欲しい。だたし次回は貴女の番よ」「待って私のも見てくれる」「荒城の月か。いいじゃない。10回ほど連載したら原稿料が入るわ」黄昏の国日出る国我々は日本をどれだけ知っているだろうか。日本人は欧州をどれだけ知っているだろうか。多くの日本人はユーゴー、ドュマ、ゲーテ、といった作家の名を知っているだけでなくその作品も読んでいる。西洋文明が日本に伝わったのは100年前のことである。我々は源氏物語、平家物語知っているか、読んだ者はいようか。文学にして然り、日本人の万分の一にも満たぬであろう。
日本の文明文化など知る必要が無いというのは驕りである。自己欺瞞である。日本が西洋を追い越すのに100年とかからないであろう。その時までに我々も日本から学ぶべきは学ぶべきである。日本を知ったうえで学ぶ必要はないと言うのなら理解できるが。
ゴッホ、モネが日本の浮世絵を模倣したのは何故か。それは優れていたからである。しかも版画である。庶民が買い求めて楽しんでいたものである。このカラムはこうした身近な話題を取り上げ日本から何を学ぶかと考える参考になればと願うものである。黄昏行く西欧が夜になり夜明けを迎えることがないということはあって欲しくない。

このカラムは大きな反響を呼んだ。「エコノミックアニマルに媚びるのか」「所詮東洋は東洋」「非キリスト教徒は野蛮」といった稚拙な批判が寄せれれたが多くは次のカラムを待っているといった好意的なものであった。

「君思う故に我あり」これはある日本人がパリジャンヌを口説き落としたセリフである。「大切なものは目に見えないのでは」「見えなくてもいい。目を閉じれば君の全てを感じることができる」デカルトもサンテクジュペリもかように料理されてしまうのである。所詮は猿の物真似と話をはぐらかす人がいるだろうから先に言っておく。あなたは猿を真似ることができるかと。
今や日本車は世界中に輸出され使われている。理由は安い、故障しない、乗り心地がいいからである。あなたは猿が作った車を真似ることができますか。建設機械も同様である。その中枢は油圧技術であるがパスカルも驚くであろう、自分の原理がこのように実用化されているのかと。その技術は芸術品ともいえる程精密である。ちなみに日本の小学生にパスカルの原理を知っているかと尋ねると竹で作った水鉄砲を示して「太い方から押すと大きな力が必要だが細い方から押すと小さな力ですむのだよ」と教えられたとか。
ついでに日本人の発明発想に独自性が少ないとの指摘も触れておこう。この指摘は事実であるから正しい。しかし次の2点を踏まえているかどうかは疑問である。すなわち日本人の思考は基本的に自然に、過去に学ぶということである。新しい概念で未来を切り開こうとする西洋文明とは異なるのである。今一つは成果をすぐに求めるということである。第2次世界大戦で壊滅的に破壊された日本が生きてゆくには基礎研究に力を入れる余裕はなかったからである。今や日本の国民総生産はECが束になっても敵わない。日本が基礎研究に力を入れ出すとどうなるかは言うまでもないであろう。
爪切り、胃カメラ、自動水洗トイレは日本人の発明によるものであることをご存知であろうか。18世紀に作られた伊能忠敬の日本地図は航空写真を基に作られた現在の地図にもひけをたらない。行列式微分積分などは日本で我々よりも数十年前に関孝和によって発見され使われていたのである。半年後の稲の先物取引(青田買い)は日本では数百年前から行われていたのだ。我々は日本を知ろうとしないからこうした事実も知らないだけなのである。

このカラムは好評で大きな反響を呼び読者から多くの感想が寄せられた。結果購読も増えジャンヌとマリオンにはボーナスがでたばかりでなく、関本と滝本への密着取材費も増額されたのである。滝廉太郎の研究がまとまったので二人はブダぺストへ発つことにした。老教授は「君たち共著者なんだから出版記念には帰って来てくれたまえ」と言った。二人は老教授に抱き付く。ブダペストにはジャンヌとマリオンが同行したのは言うまでもないがその顔はハネムーンの新婚さんであった。


乙女の祈りは永遠に へ


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