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作品名:女の敵、強姦魔 作者:佐々木 三郎

第20回   プロの殺し屋
プロの殺し屋


吉良信介は健の機嫌直しに国本の店鉄扇に誘う。子分の不始末と天野、白川両親分も馳せ参じる。「今日は借切りだ」と国本が怒鳴る。島崎社長が事情を説明すると「信介、男の口が軽いのは良くねえな。先生このとおり、あっしに免じて勘弁してくだせえ」と天野が低頭した。「忠二、おめえも兄弟が口を滑らしそうになったら止めなくちゃ」健は少し溜飲を下げたようで「商売は地道に小物をたくさん釣り上げてゆくものだ。大物は滅多に掛かってくるものではない」と話し始めた。「おっしゃるとおりで」と両親分健に酒を注いで気を使う。「商売が繁盛するほど敵も増える。相手は政府を動かすほどの財閥だ。プロの殺し屋を差し向けてくるだろう」「毒を以て毒を制すですかい」「そうだ、信介警備会社の顧問に雇え。警備体制、警備指導に年1000万。その他は出来高だ」「なるほどね」

島崎社長は「香川先生は常に先を考えておられる。ゴルゴ13のような人がいるといいですね」と盛り上げる。「そうだ、ゴルゴ13を全員に読ませろ。両親分もお心当たりがありましたらご推挙くだせえ」「確かにあっしらは攻めには強いが守りに弱い」「天野親分のおっしゃるとおりで」「白川さんもそう思われますかい」

その日は深酒になった。途中から直美、敬子,姐サン二人も呼ばれた。「しかし、信介も忠二も大きくなったな。先生にどやされている内が花だぞ。見放されてみろ、さびしいぞ」「白川さんの言われるとおりだ。信介音を上げるな」「へえ」「辛い時は俺が愚痴を聞こうじゃねえか」「親父さん」島崎社長は捉えどころがないが時々はっとすることを言う。「税務署は鬼より恐いですけど駒込先生ほどではないでしょう。少し資金運用も考えてはどうでしょうか」「いやあ社長、同業が大きな解体工事を取ったのですがね、前渡金が少なくて足場台やら機械のリース料に苦労してますわ」「朱夏組さんなら家屋敷を売ってでも借りた金は返すでしょう」「利息は」「月5分」「それは高いのでは」「なあに毎月出来高分が入ってきますから」「うんだ、最初がつれえ」「1億で月500万円」「御の字でさあ」「どうだい、国本社長」健は知らん顔。問題があれば黙っているはずはないと「親分さんの保証があれば」「いいとも天龍組が保証しようじゃねえか」「忠二青龍組さんにも用立ててくれ。俺が保証人になる」「親父さんが」「ものは試し。2億融資しましょ
う。金庫の中では子を産みませんが外に出すと孕んで帰ってきます」「ちげえねえ」「朱夏組さんも青龍組さんもよろこぶぜ」「親孝行になるなら、ねえ国本社長」「吉良専務と同意見であります」「じゃあ決まりだ」「香川先生ようござんすかい」「あっしには係わりのないことでござんす」
 
酒がまわると話も弾む。1億で腰位かえ。もうちょいですかね、2億で天井にとどきますから。へえー、でもどう使うのかねえ。あっしもね3000万もらったのですが使い道が、姐さんこれを預かってくだせえ。いいよ、もっといで。金持ちは金でなとんとでもなる思ってやがる。強姦しても親がなんとかする。庶民には大金も連中には大した額ではない。金脈ですか、なるほど。バカ息子が絶えることはあるまい。百万円札は駒込先生をモデルにして透かしにヌード写真は。私嫌だわ。私はいいわよ、モデル代いくらかしら。松崎さんなら3憶はかたい。3億私もやる。私が先。お二人りで表と裏面とを。忠治お世辞がうまくなったねえ。本当ですよ、色白でスタイル抜群。
   
                         第二部完


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