椰子の風に吹かれて(写真つきサイトhttps://sites.google.com/?tab=y3) 目次
第一章 流浪の旅 マリアカルロス 陳志淵 塩崎真知子 rice terrace 山田中尉 清美 一時休戦 ユキ1 ユキ2 セブ島1
第二章 日本人とは
ユキ故郷に帰る 生活協同組合 モロイスレム解放戦線1 モロイスレム解放戦線2 闇の黒幕 1 闇の黒幕 2 一時帰国 有馬温泉 マタギの世界 柳語る大化の改新 決着 黒幕掃討 シャラザード大学 雨乞い理論 ユキ国会議員 対決 椰子の木 地図がない 鉄道橋の完成
まえがき
名も知らぬ遠き島より 流れ寄る椰子の実ひとつ
日本の海岸に流れ着いた椰子の実を見たことがある。遠き島とはフィリピン諸島の小さな島でないだろうか。 フィリピンで幸せに暮らす日本人もいるが、すべてを騙し取られて帰国することもできない日本人もいる。行き倒れが日本領事館に駆け込んでも、こういう人多いんですよね、で片付けらる。ましてやフィリピン妻とその家族が食い尽くした日本の男を粗大ごみよろしく廃棄(早く死ねと罵倒されていた)もしくは帰国を求めるものに日本の役所が動くはずもない、とくにこの国では。 なぜ、そこまで騙されるのか、NOと言えないからだ。まるでカチカチ山の狸でないか。太宰治はなんと言うだろうか。だまされてもいい、女が喜ぶならと言われたら、そうですかと引くしかないが、果たしてさうであらうや、その答えを求めて今日も旅行く、椰子の風に吹かれて。椰子の葉を揺らしゆく風はこの国の数少ない極上品である。
本作品は筆者の独断と偏見に基づくフィクションであり、実在の人物事実とはまったく無関係である。
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