@佐原彰宅 パトカーのヘッドライトに照らされる建物 救急車やパトカーなどが続々と屋敷に到着する 交錯する警察無線 屋敷前に立つ警官Aが屋敷に入ろうとする高級乗用車を制止する A敷地内の救急車 優里が救命士によって蘇生術を施されている 昭吉 優里。優里 救命士に噛み付きそうな昭吉を救急隊員が抑えている 昭吉の秘書、和田が昭吉のもとにやってくる 和田 会長、山本院長に電話がつながりました(携帯を昭吉に手渡す) 昭吉 院長、わしや、佐原や。助けてくれ。優里を助けてやってくれ 救命士 心拍戻りました。血圧上昇 よかったと安堵する救急隊員 昭吉 助かったのか? 救命士 (瞳孔を診て)意識はまだ戻っていません。とりあえず病院へ 昭吉 セントヘレナ、セントヘレナ記念病院へ行ってくれ 戸惑いながら昭吉に随う救急隊員 B山中(夜) 森に囲まれた廃屋のある空き地 車を降りる日垣、唐津、友也 友也 なんで?(ルーフをたたく) 日垣 だから、顔見られたからって、言ってるだろ。なんべん同じこと言わせりゃ気がすむんだ 友也 まだ、子供だったろうに(日垣に詰め寄る) 唐津 やめとけ、ハンガー。今さら言っても仕方ない 日垣 お前まさか、警察に言おうってんじゃねえだろうな 言葉を呑みこむ友也 唐津 お宝は頂いた。現金に換えて一ヶ月後にここで分配する 納得する日垣、ふてくされる友也 唐津 ハンガー、お前には九年前の借りがある。これで帳消しだ 友也 ‥‥バカヤロウ‥‥(天を仰ぐ) 日垣 ハンガー、てめぇ人の話聞いてるのか‥‥ 唐津 (日垣を抑えて友也に囁くように)あの親子があんなに早く帰宅することは予定外だった。だが、それに気づかなかった見張り役のお前にもミスがある。起きてしまったことは仕方ない。三人で考えてしたことだ。罪の重さは、三人とも同じだ。いいな。(声を戻して)なに、アリバイ工作は完璧だ。証拠はない。心配するな、ハンガー 小屋に隠した車に乗りこむ唐津と日垣 地面を蹴りあげる友也 C佐原彰邸宅 白々と夜が明け、中庭に警察車両と鑑識、刑事、警官の姿 青いビニールの包まれた遺体が運び出される 室内、壁面に飛び散った血しぶきを渋い表情で眺める湊伸二刑事 床に落ちていた血のついたビニール袋をペンで持ちあげ、顔をしかめる 車庫には黄色のテープが張られる 門柱の前にそれぞれ門番のように警官が立っている 徐々に数を増すマスコミ関係者
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