@セントへレナ病院 佐原優里の病室 病室は、フラワーバスケットやぬいぐるみや寄せ書きなど、多くに見舞い品が溢れている チューブにつながれて眠るように横になっている優里 その優里の顔を、ベッドの傍から哀しい目で見つめる昭吉 秘書の和田が戸口付近で、直立不動で控えている A関西フラワー園芸社(夕方) 肥料の袋を軽トラックから降ろしている友也 友也の携帯が鳴る メモリーカードを携帯パソコンに差し替える Fromモンド“ 眠れる姫はそのままにしておこう。マルPは行き詰っているみたいだし、今のうちに獲物をシェアしておく。あさって午前2時に展望台” Fromハンガー “了解” 変換>#$&%*>送信 削除の操作をする友也 友也を車の中から監視する湊と鈴木 Bセントヘレナ記念病院 和田が、花瓶の水を替えて戻ってくると、昭吉に姿が見えない 廊下の曲がり角から昭吉の声が聞こえる 山本医師と昭吉が立ち話している 昭吉 では、もうこのまま、一生涯目が覚めないということですか?! 山本 可能な限りの手は尽くしました。優里さんは今も生きようと頑張っている。それをわかってあげてください 昭吉 だめだ。優里に目を覚ましてもらわないと。わしの余命を先生も知ってるだろう。わしが死んだら、誰があの子のめんどうを見るのだ? わしが作りあげた佐原宝飾はどうなる? 山本 そう言われましても、佐原様‥ 天根研究室の学生、政岡エミリーの姿が昭吉の目に止まる 政岡は、老人にヘッドギアを被せて脳波の測定をしている 昭吉 あの子は誰だ、あそこで何をしている? 山本 彼女は摩耶大学の学生で、脳科学者天根与四郎の教え子です。アルツハイマーの共同研究のために、ときどきこちらで脳波測定をしてもらっています 昭吉 摩耶大学‥‥。少しあの娘さんと話しさせてもらってよろしいか
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