「痛っ」 ドアノブを握った瞬間だった 手に痺れるような痛みが走り、即座にドアノブから手を離す 幼い少女は俺が痛がっている様子を見て、意地の悪い老婆のように笑う 「分かってたのか」 「さぁて、どうかな? 安心しろ、二度はない」 俺は短くため息を吐き、半信半疑で再びドアノブを握が この小生意気な少女の言うとおり、二度はなかった 「二度はないと言ったろう?」 (要らぬ一言を......) 俺は出掛けた文句を呑み込み、ついにドアを開ける ドアを開けて、俺は驚いた そして、何かが始まった、と同時に思う 「ようこそ、記憶の部屋へ」
驚く俺に、幼い少女が静かに言った
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