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作品名:旅する写真家 作者:うすしお

第7回   7
「一つ訊いていいか?」

ドアの前に立つころには、俺の頭も落ち着きを取り戻したようで、状況を分析しつつあった
                                
「一つだけだぞ」
                               
「ここはホテルじゃないんだな?」
                              
言いながら見下ろす形で幼い少女を見る
                               
「もう分かってるだう?」
                             
上目遣いに少女が俺をみる
                                   
この幼い少女がただの子供ではないことはわかるが、この姿を見ると本当にただの子供にしかみえない
                                 
少女と大きな瞳と目が合って、俺はなにくわぬ顔で目を逸らした
                                   
「何にせよ開けてみろ、そうすれば貴様の知りたいことが分かる」
                                    
少女の理解不能な言葉を深く考えなかった
考えても何の解決にもならない、そう思ったからだ
                                  
少女の言う通りにドアノブを握る
                                  


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