幼い少女の口から、紛れもない俺の名前が発せられた 一瞬、時間が止まったように思えて、その間にさまざまなことが頭を駆け巡った ここは何をする場所で、この少女は誰で、なぜ俺の名前を知っているのか すべてがあまりにも突然で、まともな反応ができない 「ハハハ、言葉も出ないか。まぁ、確かに見ず知らずの人間に名前を言い当てられたら、驚くも無理ない」 「一体どういう・・・」 ようやく俺の口から言葉がでかかるが
「とりあえず付いて来こい。話はそれからだ。あとそのデカイ荷物はそこらに置 いとけ」 幼い少女の言葉で断ちきられる 少女は俺に背を向けてスタスタと一つしかないドアの前に立ち、俺を見る 「なにをしている。早く来い」 まだ頭の整理が付かない俺は、小生意気な幼い少女に従うしかなかった
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